スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

読売新聞社杯全日本選抜競輪&実在的区別

2014-02-14 19:23:46 | 競輪
 高松競輪場も大雪の影響を受け,第29回全日本選抜競輪も初日が順延に。日述べされて12日に決勝を開催することになりました。並びは新田-斉藤の北日本,平原-神山の関東,脇本-松岡-村上の近畿で山賀と浅井は単騎。
 牽制となりましたがスタートを取ったのは斉藤で新田の前受けに。3番手に平原,浅井,山賀を挟んで7番手から脇本で周回。残り2周のホームから脇本が一気に発進。バックで新田の前に出ましたが,打鐘から新田は引かず,松岡をどかして脇本の番手に。以下,松岡,村上,斉藤の順になりました。後ろになった平原が動いていくとバックでこれに併せるように松岡が発進。さらにその前の新田も踏み出していき捲り合戦に。直線の入口で新田と絡んだ平原が落車。このあおりで神山と浅井も落車。新田は構わず踏み続けましたが,内から掬うように村上が伸びて優勝。2着入線の新田は押し上げで失格の裁定。繰り上がって3車身差の2着に松岡。2車身差の3着に斉藤で確定。
                         
 優勝した京都の村上博幸選手は一昨年1月の向日町記念以来,およそ2年ぶりのグレードレース優勝。ビッグは3年前の西王座戦以来で6勝目。GⅠに限定すると2010年の風光る以来で3勝目。ここは並びから近畿の二段駆けがありそうなので,展開によってはチャンスがあるのではないかと思っていました。新田が引かずに粘ったのは僕には予想外で,おそらく新田に分断されることはないと考えていただろうと推測します。そういう意味では思ってもいなかった展開になったのではないでしょうか。結果的に脚を溜めることができ,松岡がいいところから発進してくれた恩恵が大きかったようには思います。

 各々の属性が実在的に区別されるなら,各属性ごとに必然性があり,それらの必然性は実在的に区別することが可能であると考えられるのではないかという疑問があるかもしれません。僕はこのこと自体については認めますが,それでも必然性は唯一であると解します。
 そもそも実在的区別というのが数的区別ではありません。スピノザが第一部定理八備考二で述べていることは,同じ本性を有する多数のものが存在するなら,それは様態であるということです。それは裏を返せば,もしもあるものと別のものが様態的に区別することができるなら,それらは同じ本性を有しているという意味です。したがって数的区別は様態的区別なのであり,実在的区別ではありません。このことは第一部定理五によって補強されます。同じ本性を有する複数の実体は存在しないので,仮に複数の実体が実在すると仮定したとしても,それは数的には区別されないということになるからです。また,実体ではなく実体の本性である属性の方に目を向けても,第一部定理一〇により属性は他の助けなしに概念されるのですから,ある属性と別の属性を数的に区別することは不可能だということになります。
 したがって,たとえば思惟の属性と延長の属性は,同じように属性ではある,つまり神の本性を構成していますが,ふたつの属性であるというわけではありません。むしろ実在的区別を無視し,思惟の属性という唯一の属性があり,また延長の属性という唯一の属性があるというように考える方が適切なのです。様態的区別が同じ本性を有する複数のものの区別で,数的区別がこの区別の一種であるのに対し,実在的区別というのは,異なった本性を有する唯一のものの間での区別と理解して,そう間違いではないと思います。
                         
 こうした事情に関しては,ドゥルーズが『スピノザと表現の問題』の第Ⅰ部第1章でかなり詳しく分析していて,大いに参考となるでしょう。
                         
 ごく簡単な考察ですがもっと読みやすいものとして,上野修の「無限に異なる同じもの」という論文があり,これは『デカルト,ホッブズ,スピノザ』という文庫本に所収されています。
コメント
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