スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王位戦&結論

2013-07-24 19:20:43 | 将棋
 神戸市での対局になった第54期王位戦七番勝負第二局。
 行方尚史八段の先手で相矢倉に誘導しましたが,羽生善治王位は急戦矢倉を選択。矢倉中飛車になりました。後手が玉を囲いにいったのがかえってマイナスに作用したという印象があり,先手の方が指しやすいのではないかと思っていました。
                         
 この後手陣は愚形に感じられ,やはり先手の方がやれそうに思えます。▲6四歩と突いて△6二飛と寄りましたが,この交換は先手が損をしてしまったのではないでしょうか。▲2二歩△同王としてから▲5五歩と角道を止めましたが,△6四金。そこで▲4五歩と突いていますが,後手は△5五角ですから,一手の価値としては少し薄かったかもしれません。▲同角△同金に▲4一角と打ち,△6一飛に▲7四角成と馬を作りましたが,ここに作ったのでは成功ともいえなさそう。後手は△6六歩と叩き,▲6八金引に△6五桂と,目標になりそうだった桂馬を跳ね出しました。
                         
 第2図は第1図と比べれば,先手の形がほぐれた上に,駒が前に前にと進んでいますから,盛り返しているのは一目瞭然。というよりもこの局面ではすでに後手の方が優位に立っているようです。ここで先手は▲4六銀という鬼手を放っていますが,普通に応じた後手が勝っています。
 羽生王位が連勝。第三局は来週の月曜と火曜です。

 この点についてはもう少しだけ詳しい説明が必要でしょう。
 『エチカ』において様態というのは,無限様態と有限様態すなわち個物のふたつしかありません。もっとも,このことは一般にものは無限であるかそうでなければ有限であるかのどちらかであるということをいい換えているにすぎないともいえますから,きわめて当然のことではあります。そして無限様態としては直接無限様態と間接無限様態があります。また,現在の考察でいっている個物というのは,res singularisに限定しています。扱いとしてはres particularisの方は,無限様態かもしれないし,有限様態かもしれないし,あるいはその両方を含むかもしれないという仕方で保留しているのです。
 第一部定理二八が示しているのは,res singularisを存在と作用に決定するのはそれとは別のres singularisであり,そのres singularisを存在と作用に決定するのもそれとは別のres singularisなのであって,この関係が無限に連鎖していくということです。したがって,少なくともres singularisではないような様態が,あるres singularisを存在と作用に決定することはないと考えなければならないと僕は理解するのです。なぜなら,res singularisを存在と作用に決定する因果関係は無限に連鎖するのですから,この連鎖のうちに無限様態が登場してくる余地は一切ないと考えるべきだからです。
 したがって,無限様態がres singularisを存在と作用に決定する原因ではあり得ないということは,間違いないといえるでしょう。とくにスピノザがそのように考えているということだけは間違いないといえると思います。ただ,現状の考察においては,このような結論を得るだけでは不十分だと思えるところがあるのです。
 僕は『エチカ』のことは『エチカ』に訴えて考えるということを考察の基本姿勢としています。ですから,第一部定理二六について考える場合に,第一部定理二八を援用しても,そのこと自体は問題はないと判断はします。
コメント
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