スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

銀河戦&個物の特徴

2008-03-27 19:40:09 | 将棋
 15日に放映された銀河戦のHブロック6回戦は,ごきげん中飛車から考えられないような変化に進展しましたので,ここで紹介します。
 初手から▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5四飛▲2二角成△同銀▲5八金右で第1図。
          
 これは丸山ワクチンですので,変化としては③Bの変種。解説の橋本崇載七段によると,この▲5八金右は先手の飯島栄治五段が得意とする飯島スペシャルだそうです。場合によっては居飛車穴熊に組む余地を残した駒組とのこと。
 対して後手の豊島将之四段は△5五角と天王山に打ちました。以下,▲7七角に△7四歩とこちらに角の引き場所を作り,▲7八銀△3三銀▲6八玉に△7三角と実際にこちらに引いて第2図。
          
 第2図からは駒組が続き,結局は第3図のように進展しました。
          
 以前に片上大輔五段が,丸山ワクチンから相穴熊に組み合い,互いに角を打ち合った自身の将棋について,丸山ワクチンの出だしとは思えない局面という感想をいっていました。それでもそれは,居飛車対振飛車であるということは分かりますが,第3図は相居飛車の一変化に思われ,この将棋の出だしが丸山ワクチンであったことは,さらに想像し難いかもしれません。将棋というのは無数の変化が潜んでいるのは事実ですが,まさかごきげん中飛車からこんな将棋が現れるとは思いもしませんでした。
 なお,将棋は第3図から5筋で銀交換。その後,後手にやや不用意な一手があり,うまく手を作った先手が優位に。しかし後手も決め手を与えずにうまく粘って逆転。その後,即詰みを逃したので手数が伸び,先手は入玉しましたが,逆転には至っていなかった模様で,後手の勝ちになっています。

 明日は棋王戦第五局。勝った方が棋王ですが,同時に,今年度の最優秀棋士賞にも選出されることになるのではないかと思われます。

 これで個物の観念,あるいは第二部定理九の意味により同じことですが,観念が思惟の属性の個物として現実的に存在する場合の特徴も,無限様態の特徴,すなわち,観念が思惟の属性の直接無限様態ないしは間接無限様態として必然的に存在する場合と,同様のことがいえるということが明らかになったと思います。すなわちこれは,第二部定理五が,それが無限様態であろうと個物であろうと,すべての思惟の様態にとって妥当するということです。
 観念が個物として実在する場合も,それは神の思惟の属性を最近原因とします。いい換えればそれは,別に観念の対象を考慮せずとも神の思惟の属性のうちにあることが可能です。つまり,どんな観念も,その対象については考慮せずともあることができる,つまり発生することができるということになります。よって観念が個物としてある場合の発生原因は,その観念の外的特徴にはまったく依存せず,たその観念の内的特徴にだけ依拠するということになるのです。したがって,真の観念と十全な観念というのは,もしも観念をただ形相的にみた場合には完全に同一の観念であり,ただその観念をどういった観念からみるのかという点にのみ相違があるのですが,もしもそうした観念の発生ということを知る場合には,知性はその観念を真の観念としてみる必要はなく,むしろ十全な観念という観点からみてみなければならないということになるのです。
コメント
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