3月7日、NY外国為替市場では、ドルが買われ、1ドル=117.93~95円で取引された。ドルは対ユーロでも値上がりし、1ユーロ=1.1875ドルで取引された。
ドル上昇は、米10年物国債相場が2004年6月時点なみの水準まで値下がりし、利回りが一時年4.77%を突破したことが引き金となった。
対円でのドル上昇には、日銀の金融決定政策会議を明日に控えて日本の利上げ懸念がここ数日出ていたが、相場に織り込まれ、逆に、日銀が量的金融緩和政策を撤廃しても、ゼロ金利政策を撤廃しないとの観測が出たこと、小泉首相が日本はデフレをまだ克服していないと発言したことがむしろ円売り材料に使われたようだ。
米労働省が、2005年第4四半期の非農業部門の労働生産性データを当初の0.6%減から0.5%減へ修正したことがインフレ懸念を強め、金利先高感を煽って、米国債券が売られたとの指摘もある。
米FRB(連邦準備制度理事会)が、2006年1月の消費者信用統計が年率で2.2%増加し、年ベースで2兆1,624億ドルと発表したことが、米国の消費者が借金漬けの経済を相変わらず続けていることを確認したことも金利先高感を強めたとのアナリストの分析をWSJ紙電子版は紹介している。
米国の消費者信用データによれば、2001年、1.83兆ドル、02年1.92兆ドル、03年2.01兆ドル、04年2.10兆ドル、05年2.16兆ドルと消費者の借り入れ残高は増加を続けていることがわかる。
住宅ローン残高も増加している。2000年末では5兆ドルであった。それが2005年末では
8兆ドルを越えた。そのことが、住宅ローン残高が余りにも高くなりすぎれば米住宅ブームにもブレーキをかけるとの懸念が予防的FFレート再々利上げの思惑の背景にあるようだ。
ECBが短期金利を0.25%上げ年2.5%とした。日本の利上げは秋以降、しかも小幅と見られているが、日本が小幅でも利上げすれば、世界の投資家の魅力を引き続き引き付けていくためにもさらに米国は利上げを迫られる。そうなれば世界同時利上げスパイラルとなると新たな懸念を指摘するアナリストもいるようだ。
日本にいるとゼロ金利政策が早急に解除される気配は全くない。にもかかわらず先読み先読みするのが相場の世界の常でもある。突発的事態発生がないことをただひたすら祈るばかりである。原油、為替、金利3点セットから引き続き目を離すことは出来ない。(了)
江嵜企画代表・Ken
ドル上昇は、米10年物国債相場が2004年6月時点なみの水準まで値下がりし、利回りが一時年4.77%を突破したことが引き金となった。
対円でのドル上昇には、日銀の金融決定政策会議を明日に控えて日本の利上げ懸念がここ数日出ていたが、相場に織り込まれ、逆に、日銀が量的金融緩和政策を撤廃しても、ゼロ金利政策を撤廃しないとの観測が出たこと、小泉首相が日本はデフレをまだ克服していないと発言したことがむしろ円売り材料に使われたようだ。
米労働省が、2005年第4四半期の非農業部門の労働生産性データを当初の0.6%減から0.5%減へ修正したことがインフレ懸念を強め、金利先高感を煽って、米国債券が売られたとの指摘もある。
米FRB(連邦準備制度理事会)が、2006年1月の消費者信用統計が年率で2.2%増加し、年ベースで2兆1,624億ドルと発表したことが、米国の消費者が借金漬けの経済を相変わらず続けていることを確認したことも金利先高感を強めたとのアナリストの分析をWSJ紙電子版は紹介している。
米国の消費者信用データによれば、2001年、1.83兆ドル、02年1.92兆ドル、03年2.01兆ドル、04年2.10兆ドル、05年2.16兆ドルと消費者の借り入れ残高は増加を続けていることがわかる。
住宅ローン残高も増加している。2000年末では5兆ドルであった。それが2005年末では
8兆ドルを越えた。そのことが、住宅ローン残高が余りにも高くなりすぎれば米住宅ブームにもブレーキをかけるとの懸念が予防的FFレート再々利上げの思惑の背景にあるようだ。
ECBが短期金利を0.25%上げ年2.5%とした。日本の利上げは秋以降、しかも小幅と見られているが、日本が小幅でも利上げすれば、世界の投資家の魅力を引き続き引き付けていくためにもさらに米国は利上げを迫られる。そうなれば世界同時利上げスパイラルとなると新たな懸念を指摘するアナリストもいるようだ。
日本にいるとゼロ金利政策が早急に解除される気配は全くない。にもかかわらず先読み先読みするのが相場の世界の常でもある。突発的事態発生がないことをただひたすら祈るばかりである。原油、為替、金利3点セットから引き続き目を離すことは出来ない。(了)
江嵜企画代表・Ken