第65回「想像していた以上に重たい映画でした。」
今夜の「墨攻」という作品は以前から名前だけは知っていました。ビックコミックで連載されていた同名コミックの映画化である。マンガ好きではあるが、この作品は作画担当の森秀樹さんのまるで墨絵のような絵柄が好きになれず、どんな内容かも知らずにいました。
ところが、映画館で観た予告編には「十万の敵に、たった一人で挑む」「かつてない智略に富んだ戦い」などなど、私の心をくすぐる言葉がぞくぞくと出てくれば、観ないわけにはいかないでしょう。
物語は紀元前370年頃の戦国時代の中国を舞台に、大国「趙」に攻められ、残された道は降伏するしかない状態だった小国「梁」。わずかな希望は戦闘集団「墨家」の救援部隊だったのだが、やって来たのは革離という男1人だったのである。10万人の部隊を擁する趙に対して、市民を集めても4千人の梁。そんな勝ち目のない戦いを革離は見事な作戦で次々と勝利していくのである。
とここまでのストーリーを映画を観る前に知っていた私は、すっかり痛快活劇物で大国を破る小国と革離の姿を思い浮かべていました。しかし、お話はそんな単純なものではありませんでした。
戦争の愚かさや、人が殺しあうことの無意味さを描いた作品でした。それが、嫌だったわけじゃなくて、むしろ良かったんです。単なる活劇物だとしたら、こんなに映画を観終わった後に色々考える事もなかったでしょう。改めて、原作を読みたくなるような映画でした。
登場人物も梁の若王子や、弓の達人、オリジナルキャラの紅一点の女性キャラも物語に深みを与えていて、良かったと思います。点数は限りなく満点に近い★★★★☆ですね。
残念だったのは、後半になるにつれて梁王の行動が個人的に許せなくて、革離の置かれる立場を見ていると悲しくなってしまいました。
結末もはっきりと描かれていないので、減点1としました。
最近は日本発の題材が世界で映画になっていますが、嬉しい事ですね。そんなケースのお勧め作品は韓国映画の「オールドボーイ」です。機会があったら、お試しあれ。
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今夜の「墨攻」という作品は以前から名前だけは知っていました。ビックコミックで連載されていた同名コミックの映画化である。マンガ好きではあるが、この作品は作画担当の森秀樹さんのまるで墨絵のような絵柄が好きになれず、どんな内容かも知らずにいました。
ところが、映画館で観た予告編には「十万の敵に、たった一人で挑む」「かつてない智略に富んだ戦い」などなど、私の心をくすぐる言葉がぞくぞくと出てくれば、観ないわけにはいかないでしょう。
物語は紀元前370年頃の戦国時代の中国を舞台に、大国「趙」に攻められ、残された道は降伏するしかない状態だった小国「梁」。わずかな希望は戦闘集団「墨家」の救援部隊だったのだが、やって来たのは革離という男1人だったのである。10万人の部隊を擁する趙に対して、市民を集めても4千人の梁。そんな勝ち目のない戦いを革離は見事な作戦で次々と勝利していくのである。
とここまでのストーリーを映画を観る前に知っていた私は、すっかり痛快活劇物で大国を破る小国と革離の姿を思い浮かべていました。しかし、お話はそんな単純なものではありませんでした。
戦争の愚かさや、人が殺しあうことの無意味さを描いた作品でした。それが、嫌だったわけじゃなくて、むしろ良かったんです。単なる活劇物だとしたら、こんなに映画を観終わった後に色々考える事もなかったでしょう。改めて、原作を読みたくなるような映画でした。
登場人物も梁の若王子や、弓の達人、オリジナルキャラの紅一点の女性キャラも物語に深みを与えていて、良かったと思います。点数は限りなく満点に近い★★★★☆ですね。
残念だったのは、後半になるにつれて梁王の行動が個人的に許せなくて、革離の置かれる立場を見ていると悲しくなってしまいました。
結末もはっきりと描かれていないので、減点1としました。
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ジェイコブ・チャン,森秀樹 | |
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