マルティナは海
2001年/スペイン
スペインらしい官能的な恋愛ドラマ
shinakamさん
男性
総合 70点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 70点
ビジュアル 75点
音楽 70点
トーク・トウ・ハーのレオノール・ワトリングに惹かれ見た映画だが、予想に違わぬ魅力的な演技。下宿屋の娘マルティナ(L・ワトリング)と文学教師ウリセス(ジョルディ・モリャ)に大富豪のシエラが嫉妬して罠を仕掛ける話。それなりに最後まで興味を持たせてくれるが、L・ワトリングの美しさを堪能するための映画。
ミュンヘン
2005年/アメリカ
愛国心と家族愛の葛藤
shinakamさん
男性
総合 85点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 85点
ビジュアル 85点
音楽 85点
S・スピルバーグ久々の社会派ドラマ。冒頭出てくるクレジット(この映画は史実に基づいた物語である)で見る人に緊張感を誘う。ミュンヘンオリンピックのパレスチナ・ゲリラ事件は明確に覚えているが、その後のイスラエル暗殺団の話。
主人公(エリック・バナ)はドイツ系イスラエル生まれの若いユダヤ人。子供が生まれる前に暗殺チーム「モサド」のリーダーとなるのがドラマの始まり。
悩みながらも忠実に暗殺を遂行しながら、その恐怖と家族愛の葛藤に苛まれていく。スピルバーグらしくリアルに映像化している。4人の部下のキャラクターを浮き彫りにすることで、ドラマ性を高めていく手腕もスピルバーグらしい。ラスト・シーンで主人公の思い、即ち「世界平和は暴力では解決しない」ことを改めて訴えたいのだろう。上映時間の長さを感じさせない力作。
ヒストリー・オブ・バイオレンス
2005年/アメリカ
家族の信頼と絆のためにすることは?
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 90点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 70点
デヴィッド・クローネンバーグ監督はこの映画で避けて通れないアクシデントに遭遇したときの人間の行動を暴力に象徴させ冷酷に表現している。
平凡だがささやかな幸せな日々を送っているトム(ヴィゴ・モーテンセン)に突然襲う事件で、知られたくない過去が暴かれていく。家族の信頼と絆を取り戻すため、命がけの行動にでるトム。ヴィゴ・モーテンセンの表情の変化は見事。妻のマリア・ベロも大熱演。
鍵を握る人物が前半ではエド・ハリス、後半ではウィリアム・ハートだが、画面を釘付けにさせる。つまり出演者が皆好演している。それでも余りにも現実離れしたストーリーであることが、今ひとつのめり込めない原因か?
ホテル・ルワンダ
2004年/カナダ=イギリス=イタリア=南アフリカ
事実を基に映画化した価値
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 85点
音楽 85点
前評判の高い映画で予備知識なしでは見られなかったので、どうしてもネガティブなところへ目が行ってしまう。それでも是非一人でも多くの人にみて欲しい。特に国際社会に影響力のある人に見せて感想を聞いてみたい。
主人公のポール(ドン・チードル)は欧米の文明に憧れそれを享受していた外国資本の高級ホテル支配人。ルアンダのフツ族で妻はツチ族。この部族間抗争で100万人の命を奪うのを国際社会は放置していた事実。映画化するだけで価値があった。ニック・ノルティ、ホアン・フェニックス、ジャン・レノなど脇役を固めエンターテインメント性を考慮した作り。何より子供達の出演がこの映画を支えている。
ア・フュー・グッドメン
1992年/アメリカ
配役の妙を魅せた法廷劇
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 75点
ブロードウェイの舞台劇をベースにしただけあって軍隊の話だが、その殆どが法廷シーン。配役が適材適所で隙がない。トム・クルーズが若きエリート中尉、正義感に燃える女性少佐にデビ・ムーア、最前線で国を守る叩き上げの大佐にジャック・ニコルソン。3人を中心にケヴィン・ベーコン、キーファー・サザーランドなど正に本物感溢れるキャスティングの勝利だ。
終盤で対決するトム・クルーズとジャック・ニコルソンが最大の見物。演技の迫力ではJ・ニコルソンに軍配か?判決が出てからのラスト・シーンが、この映画のコンセプトだった。
人生は、時々晴れ
2002年/イギリス=フランス
幸せな家族とは?改めて考えさせられる
shinakamさん
男性
総合 85点
ストーリー 85点
キャスト 85点
演出 85点
ビジュアル 80点
音楽 80点
マイク・リー監督が、家族について改めて問題提起した秀作。ロンドンの集合住宅に住むタクシードライバーのフィル(ティモシー・スポール)とスーパーで働く妻ペニー(レスリー・マンヴィル)の家族の夫婦・親子の喪失感とそれを取り戻す日常を淡々と描いている。
半年程合宿したほどあって、この4人家族は本モノに思えてくる。フィルの孤独感に共感してしまうのは自分に置き換えてしまうせいか?貧しいロンドンで必死で生きている人々をマイク・リーが暖かく切なく描写している。
L.A.コンフィデンシャル
1997年/アメリカ
’50年代L.A.の雰囲気タップリ
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 75点
音楽 85点
L.A.4部作のジェームズ・エルロイの長編を「激流」のカーティス・ハンソン監督がブライアン・ヘルゲランドと共同脚色した作品で、サスペンス映画としてはなかなか良くできている。アカデミー賞9部門がノミネートされ、脚色・助演女優賞(キム・ベイシンガー)を獲得している。’50年代のウェスト・コーストジャズ満載で、オールドファンにはそれだけで懐かしいのでは?
当時殆ど無名のラッセル・クロウとガイ・ピアースを主役に配し、芸達者なケビン・スペーシー、キム・ベイシンガー、ジェームス・クロムウェル、ダニー・デヴィートが脇を固めている。無名だった2人の出世作となったことでも記憶に残る作品である。
真犯人探しのキーワードが「ロロ・トマシ」というところが<さり気なく、洒落ている>。
Jの悲劇
2004年/イギリス
2人のJが展開するサスペンス
shinakamさん
男性
総合 85点
ストーリー 85点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 85点
音楽 80点
イアン・マキューアン原作をロジャー・ミッチェル監督が渾身の映画化。最初は理知的な大学教授ジョー(ダニエル・クレイグ)とパートナーの彫刻家(サマンサ・モートン)との恋愛ドラマ風にスタートする。すぐピクニックでの赤い気球が漂流するシーンで一変する。
誰にでも起こりうるアクシデントがきっかけで人生がこんな悲劇が起こるのものか。おまけに謎の目撃者ジェット(リス・エヴァンス)がストーカーとなってジョーに纏わり付くとジョーの理性が脆くも崩れてゆく。食事のシーンでジョーがナイフやフォークを使ったりモノを噛む音がリアルで彼の心の不安を表している。'05ロードショー公開作品中のベスト5に入ると思っている。
危険な関係(1988)
1988年/アメリカ
本当は純愛ドラマ?
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 75点
キャスト 85点
演出 75点
ビジュアル 80点
音楽 80点
18世紀パリ上流社交界の愛と憎しみのドラマ。コデルロス・ド・ラクロ原作のハリウッド作品なので全編英語。最初は不自然だが気にしなければ楽しめる。前半は登場人物のプロフィールに時間を割いているので退屈だが、後半になると盛り上がってくる。
ドンファン役のジョン・マルコビッチはサル顔で何故こんなに女性を虜にできるのだろうと思ってしまうが、話の進展とともに美男子に見えてくる。グレン・クロースは悪女女優NO1振りを発揮し面目躍如。ミッシェル・ファイファーのウールヴェル夫人が何故ジョン・マルコヴィッチに靡いてしまうのか、何処となく説得不足の気がした。本当は純愛ドラマ?脇役のユマ・サーマン、キアヌ・リーブスが初々しい。
レオン<完全版>
1994年/フランス=アメリカ
情緒たっぷりなヤクザ映画
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 90点
演出 85点
ビジュアル 80点
音楽 80点
リュック・ベッソンがハリウッドに進出しその感性を如何なく発揮したアクションロマン。レオン(ジャン・レノ)が無口で心優しく孤独な殺し屋を好演している。彼に絡む少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)がこの映画の肝。日本映画に置き換えても成立しそうなプロットでしっとりと描かれていて最後まで目が離せない。