・ 山田洋次監督20年振りの喜劇は、消えつつある昭和家族。
<男はつらいよ>シリーズで笑いとペーソスを長年振りまいてきた山田洋次監督20年ぶりの喜劇。
小津安二郎へのオマージュ作品「東京家族」(13)のスタッフ・キャストをそのまま再現させ、三世代同居家族での熟年離婚をテーマにした本作が生まれた。
三世代は70代の周造(橋本功)・富子(吉行和子)夫婦、40代の長男幸之助(西村雅彦)・史枝(夏川結衣)夫婦と息子2人、同居する次男庄太(妻夫木聡)の7人。
長女成子(中嶋朋子)は家を出て会計事務所を経営、夫泰蔵(林家正蔵)は事務員として働いている。
庄太にはしっかりものの看護師・憲子(蒼井優)という恋人がいる。
そんな一見幸せそうで平和な平田一家に突然舞い降りた周造と富子の離婚騒動。
筆者は秀造と同世代だが、設定が昭和30年代では?と思うほど、現在とはかけ離れた雰囲気なのは83歳の監督が描いた世界だからか?それとも高級住宅街の青葉台ではこんな家族が今も存在するのか?
筆者が観た映画館では、年配女性の笑い声で溢れていた。おそらく自分も頑固おやじと化した夫を周造に見たのだろう。自分もカルチャー・センターに通い、老後を謳歌しているはず。
絶妙なタイミングでのこけ方や古典的な笑いの渦は、山田映画の健在ぶりを証明するものだ。警備員の笹野高史、落語家のような医師の笑福亭鶴瓶、うなぎやの徳永ゆうきなどコメディ・リリーフの起用や、私立探偵・小林稔侍、居酒屋の女将風吹ジュンの安定感ある演技が支えている。
小津映画の原節子のような存在が蒼井優。こんな女性がいたら周造でなくても、言うことを聞くことだろう。
続編もできそうな本作。山田ワールドを楽しみに足を運んでくるファンのために劇場に笑いを振りまいて欲しい。
<男はつらいよ>シリーズで笑いとペーソスを長年振りまいてきた山田洋次監督20年ぶりの喜劇。
小津安二郎へのオマージュ作品「東京家族」(13)のスタッフ・キャストをそのまま再現させ、三世代同居家族での熟年離婚をテーマにした本作が生まれた。
三世代は70代の周造(橋本功)・富子(吉行和子)夫婦、40代の長男幸之助(西村雅彦)・史枝(夏川結衣)夫婦と息子2人、同居する次男庄太(妻夫木聡)の7人。
長女成子(中嶋朋子)は家を出て会計事務所を経営、夫泰蔵(林家正蔵)は事務員として働いている。
庄太にはしっかりものの看護師・憲子(蒼井優)という恋人がいる。
そんな一見幸せそうで平和な平田一家に突然舞い降りた周造と富子の離婚騒動。
筆者は秀造と同世代だが、設定が昭和30年代では?と思うほど、現在とはかけ離れた雰囲気なのは83歳の監督が描いた世界だからか?それとも高級住宅街の青葉台ではこんな家族が今も存在するのか?
筆者が観た映画館では、年配女性の笑い声で溢れていた。おそらく自分も頑固おやじと化した夫を周造に見たのだろう。自分もカルチャー・センターに通い、老後を謳歌しているはず。
絶妙なタイミングでのこけ方や古典的な笑いの渦は、山田映画の健在ぶりを証明するものだ。警備員の笹野高史、落語家のような医師の笑福亭鶴瓶、うなぎやの徳永ゆうきなどコメディ・リリーフの起用や、私立探偵・小林稔侍、居酒屋の女将風吹ジュンの安定感ある演技が支えている。
小津映画の原節子のような存在が蒼井優。こんな女性がいたら周造でなくても、言うことを聞くことだろう。
続編もできそうな本作。山田ワールドを楽しみに足を運んでくるファンのために劇場に笑いを振りまいて欲しい。