プレステージ
2007年/アメリカ
C・ノーランらしく一筋縄ではない
shinakamさん
男性
総合 85点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 85点
ビジュアル 85点
音楽 80点
「メメント」「インソムニア」のクリストファー・ノーランがクリストファー・プリースト原作「奇術師」を監督、実弟ジョナサンと共同脚本化した。
19世紀末のロンドンで競い合ったマジシャン、アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)が命懸けのトリックに挑んだ物語。
生まれも育ちも違う2人がマジックの花形「瞬間移動」にどの様にアプローチしたかが対比されながら、終盤になるまで種明かしがないので興味深々。
それにしてもストーリーの持って行き方がC・ノーランらしく一筋縄ではなく、伏線も無駄がないのに感心させられる。「映画そのものをトリックに」という企画意図が全編に盛り込まれていて面白い。
共演者ではマイケル・ケインが、如何にもこの時代を生き抜いたスペシャリスト役の渋い演技で光っていた。久し振りのデヴィット・ボーイも、この映画でキーとなる実在の科学者、ニコラ・ステラ役で登場し、存在感を見せている。
それに対し、2人のマジシャンの間に揺れるアシスタント、オリビア役のスカーレット・ヨハンソンは、ファッション・ドール的で見せ場が殆ど無く期待外れ。
ラスト・シーンが少し物足りなかったが、これ以上説明すると奇想天外過ぎてガッカリするのを配慮したのだろう。