晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『真夏の出来事』 70点

2006-07-31 17:06:26 | (米国) 1980~99 

真夏の出来事

1996年/アメリカ

男運が悪い女の話

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shinakamさん

男性

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆75点

演出 ★★★☆☆70点

ビジュアル ★★★☆☆70点

音楽 ★★★☆☆65点

海辺のヴァカンスで起きた出来事は、サスペンスお決まりの設定。若い人妻キャメロン・ディアスを巡る、中年判事ハーヴェイ・カイテル、片思いの幼な馴染み、元恋人の3人がどうなるかという話。キャメロン・ディアスが殺人事件に巻き込まれる度に、ハラハラ・ドキドキさせられる。ハーヴェイ・カイテルが中年の危なさを振りまいていた。犯人当てを気にするより、男運が悪い女・キャメロン・ディアスを楽しむ映画。ラスト・シーンが面白かった。


『トランスアメリカ』 85点

2006-07-29 20:16:08 | (米国) 2000~09 

トランスアメリカ

2006年/アメリカ

ハートフルな母子?のロード・ムービー

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

女性になろうと手術を控えた男性に実の息子がいることを知り、2人がアメリカ横断の旅に出る。フェリシティ・ハフマンが複雑な設定の役を見事にこなしていて、素晴らしい。夫のウィリアム・H・メイシーがEPで全面協力している。
新鋭のダンカン・カッター監督はこの映画のモデルから話を聴いて脚本化しただけあって、可笑しくも内に秘められた辛く哀しい体験を、巧みに描いている。なかでも、手術を終えたあとの涙は何とも云えない複雑さを表していた。息子のケヴィン・ゼガーズは美形で繊細ながら、親の愛を知らずに必死に生きて行こうとする健気さが出ていた。
NYからロスへ旅する道中で出会うカルヴィン(グレアム・グリーン)との交流がハートフルでほっとさせてくれる。「誰にも人に言えない秘密がある」と言いながら、別れ際に自分の秘密を言って相手の秘密を問いただそうとはしない。
ロスの実家の成金ぶりも、主人公の孤独さを引き立たせてくれる。


『チャップリンの独裁者』 90点

2006-07-28 09:55:10 | 外国映画 1945以前 




チャップリンの独裁者


1940年/アメリカ






映画史に残る反戦映画





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shinakamさん


男性






総合★★★★☆
90



ストーリー

★★★★☆
90点




キャスト

★★★★☆
85点




演出

★★★★★
85点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
90点





いうまでもなくチャールズ・チャップリンの製作・監督・主演の名作。1940年公開というのも有名だが当時のアメリカが国策として作らせたのではないところが凄い。のちに赤狩りでアメリカを追われたのも皮肉な結果となった。
まさにチャップリンの映画製作の原点を見た思い。全編喜劇なのに史実をもとに人間のあらゆる欲を哀しむ視点が満載。世界を征服したいヒンケルと実直なユダヤの理髪師の2役のなかに両極にいる人間を対比しながら観客を巻き込んで行く。
前半のドタバタ調からヒンケル登場の中盤の周りに踊らされる独裁者の悲劇を笑いに包む手法はチャップリンの独壇場。ライバル・ナバロニ(ジャック・オーキー)とのシーンも傑作のひとつ。
ヒンケルの名参謀シュルツが追放されたあと、意外に自分の命は惜しむ人間性を見せたり、チャップリンが人間の多面性を皮肉る場面もあって単なる喜劇ではないことを証明した。
最後の演説シーンがこの映画のコンセプトであることは明らかだが、ここへ持ってくるための様々な創意工夫が見事である。






『街の灯』 80点

2006-07-27 16:43:43 | 外国映画 1945以前 




街の灯


1931年/アメリカ






笑いながら思わずホロリ





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shinakamさん


男性






総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
80点




演出

★★★★☆
80点




ビジュアル

★★★★☆
75点




音楽

★★★★☆
75点





チャールズ・チャップリン監督・主演の花売り娘とのラブ・ロマンス。
カラーで大型画面が当たり前の現在、たまにモノクロで無声映画を観ると妙に新鮮さを感じる。映画の楽しさを改めて思い起こさせる。盲目の花売り娘に一目惚れしたチャップリンがいつもの山高帽・ステッキ・ちょび髭のスタイルで奮闘する。ボクシングのシーンで思わず笑わせられ、花売り娘の眼が治って、チャップリンが憧れの人だと分かるシーンで思わずホロリとさせられた。






『バレエ・カンパニー』 75点

2006-07-26 16:45:09 | (米国) 2000~09 

バレエ・カンパニー

2003年/アメリカ=ドイツ

ストーリーよりダンス・シーンが美しい

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★☆☆70点

キャスト ★★★★☆75点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

ロバート・アルトマン監督、製作・原案・主演が「スクリーム」のネーヴ・キャンベル。実在のバレエ・カンパニー<ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ>の団員が演じるダンス・シーンがドラマ部分の物足りなさを補って余りある。本物の振付師が出演したリハーサルシーンから、ダイナミックで優美な完成された舞台シーンが交互に映るので興味も倍増。
主演のネーヴ・キャンベルはバレリーナを目指しただけあって、吹き替えなしのダンスシーンは流石。カリスマ芸術監督のミスターAを演じたマルコム・マクダウェルが黄色いマフラーをなびかせ、イタリア系なるが故の苦労人であったことを裏付ける自信家ぶりで存在感を見せた。


『アイズ ワイド シャット』 85点

2006-07-25 18:47:06 | (米国) 1980~99 

アイズ ワイド シャット

1999年/アメリカ

観る人で評価が違うが傑作

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

スタンリー・キューブリックの遺作、トム・クルーズ ニコール・キッドマン夫妻(当時)の競演など話題作だったのに評価としては、もっぱら駄作の声が高い。
当初観たときは、首を傾げたまま映画館を出た記憶がある。しかし年を経て見直してみると、これは傑作だと思い直している。
夫の妻に対する嫉妬がテーマだが、トム・クルーズのきめ細かな演技で「想像による人間の微妙な心理の変化」を表現していて見逃せない。幸せなエリート医師が嫉妬に狂い、危ない世界に巻き込まれる場面も、大掛かりで豪華な美術・衣装とカメラワークが流石と思わせる。
N・キッドマンの美しさにも圧倒されるが、むしろトム・クルーズの演技がもっと高く評価されて良い。


『ビハインド・ザ・サン』 75点

2006-07-24 17:43:42 | (欧州・アジア他) 2000~09

ビハインド・ザ・サン

2001年/ブラジル

100年前のブラジルに興味

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆75点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

「セントラル・ステーション」のウォルター・サレス監督作品。1910年のブラジルで、2家族の争いの行方がテーマ。主役のロドリゴ・サントロが、殺し合う家族に悩む純粋な青年を憂いのある表情で好演。ハリウッド作品ならB・ピット、L・デカプリオ並みの人気スターになるだろうと思わせる、甘いマスク。
W・サレス監督のスタッフは相変わらず達者で、独特のカメラアングルでストーリーに厚みを持たせてくれる。
物語は100年前のブラジルの時代設定に興味があったが、米国の西部劇と大して変らない。


『2046』 80点

2006-07-23 18:01:15 | (欧州・アジア他) 2000~09

2046

2004年/香港

T.レオンを巡るアジアン・ビューティ

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆75点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

ウォン・カーウァイ監督が5年掛かって完成させた恋愛ドラマ。「花様年華」の続編のようなテーマ設定で、主役のT.レオンの役名・チャウや職業・小説家も一緒。
T.レオンを巡る女優陣が豪華。なかでも「ヒーロー」で競演したチャン・ツィイーが息のあったヒロイン振りを魅せた。他にもコン・リー、フェイ・ウオン、マギー・チャン、カリーナ・ラウなど美を競うアジアン・ビューティのオンパレード。クリストファー・ドイル撮影の腕の見せ所がいっぱいで、耽美な音楽とともにビデオ集を見るようなカットが随所にある。
ストーリーは纏まりに欠け、いまひとつの感があり、さしたる目新しさも感じないが、これがウォン・カーウォイ監督の世界なのだろう。木村拓哉の出演は、はっきり言ってミスキャスト。


『胡同のひまわり』 80点

2006-07-22 11:43:06 | (欧州・アジア他) 2000~09

胡同のひまわり

2005年/中国

父親が息子にできること

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

このところ多いテーマのひとつ、父と子の30年間・葛藤の物語。北京郊外の街・胡同に住む父(スン・ハイイン)とひとり息子シャン・ヤンが生まれた’67からの30年は中国激動のとき。父は母(ジョアン・チェン)とともに文化大革命・4人組・毛沢東・大地震と時代の変遷に影響されながらも必死に生きて行く。
国と時代は違っても、自分が少年の頃遊んだ長屋住まいやスケートリンクの青春時代を思い出させてくれて懐かしい。違っていたのは、父親が自分が果たせなかった画家になる夢をシャンヤンのなかに見出し、まるで「巨人の星」の一徹のように、23年間それに固執したことで父親の役割を全うしようとしたこと。
もうひとつの見所は、経済発展のなか住居の変貌とともに家族が変形して行く様が随所に映像化されていること。失われつつある文化遺産は人の心も変えて行くのだろうか?


『ラウンダーズ』 80点

2006-07-21 09:17:22 | (米国) 1980~99 

ラウンダーズ

1998年/アメリカ

ポーカーのスリリングな面白さを再現

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

ポーカーをテーマにマット・デイモン、エドワード・ノートンの若手コンビにジョン・タトーロ、ジョン・マルコヴィッチが競演。
ポーカーをよく知らない人にも充分楽しめるドラマチック・エンターテインメントになっている。
この手によくある裏社会の舞台がメインだが、エリートの法曹大学教授や法を守る警察官が賭けているシーンもあり、魅力的なゲームであることを描いている。
マイク(マット・デイモン)が法律家を目指す大学生で、ポーカーを通じて裏社会や友情・恋愛を体感する役を好演している。そしてロシア語訛りを操り、マイク(M・デイモン)のライバルを演じたジョン・マルコヴィッチが存在感たっぷりで、この映画のヘソである。