今日から待ちに待った5連休 小旅行は先週末に済ませたshimazaki家。今日は息子の誕生日プレゼントを買いに出かけます。リクエストは自転車。バースデーケーキも予約してこないと…。5月と6月は記念日ラッシュのため、母の日も含めてプレゼントを選んでこなければなりません。しかし、自分のものをゲットすると、途端に「早く帰ろう」と言い出す息子がどこまで付き合ってくれるかが心配です★
そして明日は、やんばるQさんとカラオケ本舗まねきで「ミドリ色の屋根」を歌ってきます 今回は、しっかりPremierDAMの部屋を予約しておきました♪ 仏語で”Non ne pleure pas”も歌う予定です! アニメ「光の伝説」の主題歌で妹ナタリー・シマールの「5月の手紙」を、また、カーペンターズの「遙かなる影(Close to you)」で仏語版”Près de toi” にも挑戦したい~
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
旺文社の学習雑誌「中一時代」の1974年11月号に掲載されたミステリー小説「潮騒の中の少女」は、ルネ・シマールを主人公に設定して書かれたものでした。作者は「せき らん」さん。このファト・ミステリーのために撮影された力丸恒美さんの写真は、「時代」シリーズの折り込みポスターにも使われていました。
来日公演にK市を訪れ、殺人事件に巻き込まれてしまったルネが出会ったペット・ショップの不思議な少女。そして、この殺人事件の真相は如何に?!
ルネ・シマール 長谷直子が特別出演 フォト・ミステリー
ほんとうに死ぬかもしれない……空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりすぎた……
潮騒の中の少女
作/せき らん 写真/力丸恒美 構成/石垣好晴
ルネ・シマールの日本公演は、この夜を最後にすべておわった。予想をはるかにうわまわる大盛況で幕をとじたのだ。
午後七時半、ルネはひとり会場をでて港へむかった。
”死ぬかもしれない……”とつぶやいたとき、ひっしにひきとめようとした直美の姿を思いうかべながら足を早めた。
”ほんとうに死ぬかもしれない”
空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりぬけていった。
埠頭の先端には先客があった。ルネはその人影にむかって足を進める。
「こんばんは。だいぶ待ちましたか?」
ルネの静かな声に、その人影はくずれた。少女は、いかにも強そうな大きな犬をつれていた。
「ああ、その犬ですね。ムッシュ佐伯をかみ殺したのは」
話の内容とは逆に、ルネの口調はおだやかだった。
「あなたは知っていたのですか?」
少女はうめくようにいった。
「ぼくは、あなたに三度お会いしているといいましたね。最初は、二日前のこの場所です。あなたは鳥を肩にとまらせて海をながめていました。その日、一人の男が両眼をえぐられて溺死するという事件が起きました。……二度めは、ムッシュ佐伯が犬をひき殺したときです。あのとき、事故のようすを見ていたあなたをみかけました。そして、その夜、佐伯は殺されました。その殺害現場で三度めのご対面というわけです。もちろん三度ともあなたは気づかなかったでしょうが……」
少女のからだが、ルネの前面にかすかに移動しはじめていた。
「最初の被害者が狩猟会の会長で、二人めは犬をひき殺した佐伯運転手、そして今、動物は人間のぎせいになってもしかたがないといったこのぼくを殺そうとしている。あなたは動物たちのかたきをうっているつもりですか?」
「ええ、そのとおりだわ。たとえ鳥一羽でも、うばった命の代償には、生命をもってつぐなうべきです!」
「それにしても殺されるとわかっているのに、なぜ、なぜここにきたのです…?」
「わかりません。ただ、あなたに自分のまちがいを知ってほしかったのかもしれない……」
「わたしはまちがっていません。それは動物たちがいちばんよく知っているはずです。あなたは自分が犯した罪のつぐないをしなければならないのです!」
少女のヒステリックなさけび声と同時に、犬のからだが空をとび、ルネをめがけて弧をえがいた。身をかわす間もなくルネのからだが地面にたたきつけられ、その上に巨大な猛犬がのしかかっていた。犬が吹きだす荒い息が、ルネの顔面をたたき、不気味な牙がルネのしなやかな首に迫っていた。だが、どうしたことだろう? 犬はルネのからだにのしかかりながらしきりに尾を振りはじめ、しかも、ルネの顔をじゃれつきながらなめまわしはじめたのだ。
「ど、どうしたの!? いったいどうしたっていうの! その人は、あなたたちの仲間を残酷な方法で殺したのよ。なぜ、なぜかたきをとらないの!?」
信じられないできごとに、少女は狂乱状態になっていた。
「あなたに話したことは、すべてあなたをためすためのつくり話です。動物を愛する気持ちは、あなたにまけないくらいもっているつもりです。それをいまこの犬が証明してくれました。動物にはわかるんです。動物を愛する人間かどうかということが……」
ルネの足もとを、犬がしきりにはしゃぎまわっている。
「あなたは動物たちの生命は大切なものだといいましたが、それなら、あなたがうばったふたりの人間の、生命の尊さにも気づいてほしいのです。鳥や犬たちだけではなくて、人間も同じように尊いということを、わかってほしいのです。」
少女はだまってうつむいていた。
「ぼくは、あす、カナダに帰ります。もう二度とあなたに会うこともないでしょう……」
潮騒の音がひろがる中を、ルネはゆっくりと少女に背をむけた。人影もない港に、どこからか歌がきこえている。
もし、離れていった鳥が戻ったら
きみのとなりの岸辺で
僕は鳥にいうよ
きみが鳥をいかに愛していたかと……
翌日、ルネを載せた飛行機は無事に羽田をとびたった。
ちょうど、その時間、K市の町はずれにある警察署の階段を、ひとりの少女が登っていった……。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
さて、ルネ主演のミステリーはいかがでしたか?
ちなみに、物語の最後に出てくる歌は、ルネ・シマール・ファンならすぐわかる、ルネのカナダのデビュー曲”L'oiseau(鳥)”の一節です。作者も心憎い洒落た演出をしたものですね。また、ルネを襲う大型犬の写真は、偶然にもルネが可愛がっていたジュジューヴに似ています。
※YouTube映像”Rene Simard-L'oiseau('70)”
http://www.youtube.com/watch?v=o1opu69iGag&feature=channel_page
※物語に使われた”L'oiseau(鳥)”の一節
Si jamais je rencontrais le bel oiseau
もしきれいな鳥に会うことがあったら
Qui s'est envole s'il revient de son voyage
もし離れていった鳥が戻ったら
Tout pres de toi le long du rivage
君のとなりの岸辺で
Moi vois-tu je lui raconterai
僕は鳥に言うよ
Combien pour toi je sais qu'il a compte
いかに君にとって大事であったか
C'est l'oiseau que tu aimais
君は鳥を愛していた
L'oiseau jaloux je l'ai devine
僕は鳥がねたんでいたのを知っているんだ
S'il revient de son voyage
もし鳥が戻ったら
Je lui dirai que tu l'attendais
君が待っていたことを伝えておくよ
話は変わりますが、新型インフルエンザが心配ですね。今回は毒性の強い鳥インフルエンザではなく、毒性の弱い豚インフルエンザであるとはいえ、世界中で感染者が増加の一途をたどっています。ルネ・シマールの故郷カナダでも、感染者が新たに15人見つかり、昨日までに確認された感染者が34人に達するという非常事態。幸いにも日本では、まだ新型インフルエンザの感染者は見つかっていませんが、油断は禁物。お互い十分に予防に努めましょう。
それでは皆さま、充実した連休をお過ごしくださいませ。
そして明日は、やんばるQさんとカラオケ本舗まねきで「ミドリ色の屋根」を歌ってきます 今回は、しっかりPremierDAMの部屋を予約しておきました♪ 仏語で”Non ne pleure pas”も歌う予定です! アニメ「光の伝説」の主題歌で妹ナタリー・シマールの「5月の手紙」を、また、カーペンターズの「遙かなる影(Close to you)」で仏語版”Près de toi” にも挑戦したい~
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旺文社の学習雑誌「中一時代」の1974年11月号に掲載されたミステリー小説「潮騒の中の少女」は、ルネ・シマールを主人公に設定して書かれたものでした。作者は「せき らん」さん。このファト・ミステリーのために撮影された力丸恒美さんの写真は、「時代」シリーズの折り込みポスターにも使われていました。
来日公演にK市を訪れ、殺人事件に巻き込まれてしまったルネが出会ったペット・ショップの不思議な少女。そして、この殺人事件の真相は如何に?!
ルネ・シマール 長谷直子が特別出演 フォト・ミステリー
ほんとうに死ぬかもしれない……空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりすぎた……
潮騒の中の少女
作/せき らん 写真/力丸恒美 構成/石垣好晴
ルネ・シマールの日本公演は、この夜を最後にすべておわった。予想をはるかにうわまわる大盛況で幕をとじたのだ。
午後七時半、ルネはひとり会場をでて港へむかった。
”死ぬかもしれない……”とつぶやいたとき、ひっしにひきとめようとした直美の姿を思いうかべながら足を早めた。
”ほんとうに死ぬかもしれない”
空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりぬけていった。
埠頭の先端には先客があった。ルネはその人影にむかって足を進める。
「こんばんは。だいぶ待ちましたか?」
ルネの静かな声に、その人影はくずれた。少女は、いかにも強そうな大きな犬をつれていた。
「ああ、その犬ですね。ムッシュ佐伯をかみ殺したのは」
話の内容とは逆に、ルネの口調はおだやかだった。
「あなたは知っていたのですか?」
少女はうめくようにいった。
「ぼくは、あなたに三度お会いしているといいましたね。最初は、二日前のこの場所です。あなたは鳥を肩にとまらせて海をながめていました。その日、一人の男が両眼をえぐられて溺死するという事件が起きました。……二度めは、ムッシュ佐伯が犬をひき殺したときです。あのとき、事故のようすを見ていたあなたをみかけました。そして、その夜、佐伯は殺されました。その殺害現場で三度めのご対面というわけです。もちろん三度ともあなたは気づかなかったでしょうが……」
少女のからだが、ルネの前面にかすかに移動しはじめていた。
「最初の被害者が狩猟会の会長で、二人めは犬をひき殺した佐伯運転手、そして今、動物は人間のぎせいになってもしかたがないといったこのぼくを殺そうとしている。あなたは動物たちのかたきをうっているつもりですか?」
「ええ、そのとおりだわ。たとえ鳥一羽でも、うばった命の代償には、生命をもってつぐなうべきです!」
「それにしても殺されるとわかっているのに、なぜ、なぜここにきたのです…?」
「わかりません。ただ、あなたに自分のまちがいを知ってほしかったのかもしれない……」
「わたしはまちがっていません。それは動物たちがいちばんよく知っているはずです。あなたは自分が犯した罪のつぐないをしなければならないのです!」
少女のヒステリックなさけび声と同時に、犬のからだが空をとび、ルネをめがけて弧をえがいた。身をかわす間もなくルネのからだが地面にたたきつけられ、その上に巨大な猛犬がのしかかっていた。犬が吹きだす荒い息が、ルネの顔面をたたき、不気味な牙がルネのしなやかな首に迫っていた。だが、どうしたことだろう? 犬はルネのからだにのしかかりながらしきりに尾を振りはじめ、しかも、ルネの顔をじゃれつきながらなめまわしはじめたのだ。
「ど、どうしたの!? いったいどうしたっていうの! その人は、あなたたちの仲間を残酷な方法で殺したのよ。なぜ、なぜかたきをとらないの!?」
信じられないできごとに、少女は狂乱状態になっていた。
「あなたに話したことは、すべてあなたをためすためのつくり話です。動物を愛する気持ちは、あなたにまけないくらいもっているつもりです。それをいまこの犬が証明してくれました。動物にはわかるんです。動物を愛する人間かどうかということが……」
ルネの足もとを、犬がしきりにはしゃぎまわっている。
「あなたは動物たちの生命は大切なものだといいましたが、それなら、あなたがうばったふたりの人間の、生命の尊さにも気づいてほしいのです。鳥や犬たちだけではなくて、人間も同じように尊いということを、わかってほしいのです。」
少女はだまってうつむいていた。
「ぼくは、あす、カナダに帰ります。もう二度とあなたに会うこともないでしょう……」
潮騒の音がひろがる中を、ルネはゆっくりと少女に背をむけた。人影もない港に、どこからか歌がきこえている。
もし、離れていった鳥が戻ったら
きみのとなりの岸辺で
僕は鳥にいうよ
きみが鳥をいかに愛していたかと……
翌日、ルネを載せた飛行機は無事に羽田をとびたった。
ちょうど、その時間、K市の町はずれにある警察署の階段を、ひとりの少女が登っていった……。
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さて、ルネ主演のミステリーはいかがでしたか?
ちなみに、物語の最後に出てくる歌は、ルネ・シマール・ファンならすぐわかる、ルネのカナダのデビュー曲”L'oiseau(鳥)”の一節です。作者も心憎い洒落た演出をしたものですね。また、ルネを襲う大型犬の写真は、偶然にもルネが可愛がっていたジュジューヴに似ています。
※YouTube映像”Rene Simard-L'oiseau('70)”
http://www.youtube.com/watch?v=o1opu69iGag&feature=channel_page
※物語に使われた”L'oiseau(鳥)”の一節
Si jamais je rencontrais le bel oiseau
もしきれいな鳥に会うことがあったら
Qui s'est envole s'il revient de son voyage
もし離れていった鳥が戻ったら
Tout pres de toi le long du rivage
君のとなりの岸辺で
Moi vois-tu je lui raconterai
僕は鳥に言うよ
Combien pour toi je sais qu'il a compte
いかに君にとって大事であったか
C'est l'oiseau que tu aimais
君は鳥を愛していた
L'oiseau jaloux je l'ai devine
僕は鳥がねたんでいたのを知っているんだ
S'il revient de son voyage
もし鳥が戻ったら
Je lui dirai que tu l'attendais
君が待っていたことを伝えておくよ
話は変わりますが、新型インフルエンザが心配ですね。今回は毒性の強い鳥インフルエンザではなく、毒性の弱い豚インフルエンザであるとはいえ、世界中で感染者が増加の一途をたどっています。ルネ・シマールの故郷カナダでも、感染者が新たに15人見つかり、昨日までに確認された感染者が34人に達するという非常事態。幸いにも日本では、まだ新型インフルエンザの感染者は見つかっていませんが、油断は禁物。お互い十分に予防に努めましょう。
それでは皆さま、充実した連休をお過ごしくださいませ。