ピュア 小野美由紀（著）2020年4月発行
SFファンタジーで、地球に住めなくなった未来に生きる女性の物語を
メインとした短編集。
たまたま、チョッと前に著者のエッセイ『人生に疲れたらスペイン巡礼〜
飲み、食べ、歩く800キロの旅』を読んでいた記憶があり、
偶然見かけた時には「『人生に疲れたら…』とは随分違うみたいで、
好みの分野ではないかも、、、」と思いつつも読んでみたところ、、、
予感的中、背筋がゾワっとするような感覚に襲われました。
表題の「ピュア」を含めた５つの短編からなり、いずれも著者独特の
女性の「性」と「愛」の感じ方、捉え方、未来が描かれていました。
共感するところもありつつ、表現方法に関しては個人的には苦手かな。
「ピュア」は、「女性が妊娠するために男性を食べる」という衝撃的な設定
ながらも、現代社会そのものと感じる人も多かった、、、とのこと。
最後の「エイジ」は、男性視点から世界が描かれていて「ピュア」とは
対になっているようです。
ファンタジーとはいうものの、女性のかなりリアルな姿が描かれているので、
興味がある方はどうぞ・・・。
わがまま母
毎度ですが、健忘症のため本書案内文を転記しておきます。
—
遠い未来、地球軌道上の人工衛星で暮らす女性たちは、国を守るために
子供を産むこと、そのための妊娠を義務付けられていた。ただしそれには
地上に住む男たちを文字通り「食べる」ことが必要とされる・・・
そんな変わり果てた世界で「普通」の女の子として生きるユミの葛藤を描き
ネット上で旋風を巻き起こした衝撃作のほか、幼馴染みの性的な変身を巡って
揺れ動く青春小説「バースデー」、未曾有の実験により12人の胎児の母と
なった研究者のドラマ「幻胎」など、性と共に生きる人々の姿を活写する
５つの物語。
