「能力に応じた給与制度に 大阪市教委、30年度から」(産経WEST 2017年7月12日)
http://www.sankei.com/west/news/170712/wst1707120021-n1.html
この記事、一見すると大阪市の公立学校に勤務する教員の初任給があがって「いいじゃない」って思う方もいるかもしれません。また、「能力に応じた給与制度」って「当然じゃん」と思う方もいるかもしれません。
ですが、この新しい給与制度導入の「本質」的なところは、そこにありません。
記事の内容から次のように考えてみると、この新しい給与制度の「本質」が見えてきます。
○37歳以降「別に管理職にはなりたくない」けど、ヒラ教員として職人芸みたいな技を現場で発揮する人については、給与面からどのようにしてモチベーションの維持をするつもりなのか?
○「これって大阪維新の教育施策に忠誠を誓う教員だけが給与面で優遇される制度なのでは?」といわれたら、どう説明するつもりなのか?
○そもそも近隣の他の政令市よりも大阪市の教員の給与水準が低くなったのは、いったいだれのせいなのか?
この3点を今の大阪市のトップ、つまり吉村市長が問われた場合、どのように説明するのでしょうか?
・・・それこそ、こんな教員給与制度を実施したら、「別に管理職なんぞにはなりたかねぇ。自分は定年まで子どものそばで仕事したいんや」「上から首長がどない言おうが、私らは子どものためにできることやりまっせ」っていうような、現場教員の仕事に誇りと熟練の技をもってやってるベテランほど、大阪市から逃げるのではありませんか?
それこそ、この新しい教員給与制度の導入は、かえって大阪市の学校に混乱・困惑をもたらすのではないでしょうか?
いつも思うんですけど、「もうちょっとよく考えて、大阪市の行政、特に市長以下のトップ層、教育施策を実施してくれ」と言いたくなりますね。
この数年、大阪市の学校教育や子ども施策については、「改革すればするほど、もっと状況が悪くなる」という悪循環のパターンばかり繰り返している気がします。