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できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

正直なところ「いかがなものか」と思っていること(その1)

2017-05-28 23:46:49 | 学問

このところ、学校での事故・事件に関する研究動向を見ていて、正直なところ「いかがなものか」と思っていることを、この際、少し書いておこうかなと思います。

この内容は昨日、CAPセンター・JAPANの総会記念講演会でもお話したことと重なるのですが・・・。

また、これはあくまでも「私の目から見て」の話でしかないのですが。

要するに「子どもを守りたい」とか「子どもの安全・安心の確保を」といいつつ、実は「それって、おとなの不安の解消」とか「おとなの不信感の緩和」のためにやっていて、「肝心の子どもそっちのけ」の話になっていないか、ということが、時折、子どもの安全・安心確保策についての議論に見受けられるんですよね。

たとえば、次のようなパターンの議論を見かけたときに、私はこのところ、「それって、おとなの不安感や不信感の緩和のための議論じゃないの?」と思うのです

(1)そもそも、子どもたち自体を「危ないこと」から遠ざけておく。そうすれば事故・事件は防げる。

⇒どこで子ども自身が身を守る術を学ぶの? 子どもが成長する上で貴重な体験を得る機会はどうなるの?

(2)たとえば「暴力をふるう」などの「他人に危害を加える子」は、学校から排除しておく(あるいは、そういう行為があれば排除する)。

⇒「学校安全・安心ルール」なるものをつくる自治体もある。あるいは、障害のある子どもなどの分離・別学を望む声もある。

 さらに、そもそも「問題行動を起こさないような子どもに家庭が育てるべき」だと考えたら、「家庭教育支援法案」なども出てくる・・・。

(3)そもそも「学校で子どもどうしが濃密に関わる機会」がなければ、問題も生じない。

⇒どこで子どもの仲間関係を育てるの?

(4)そして、GPSケータイと監視カメラで子どもの登下校や学校生活の「すべて」を把握しておきたい。

⇒それでおとなは安全・安心かもしれないが、一方で監視社会・管理社会を創り出すことにもなる。

ざっと、こんな感じですね。

以上の(1)~(4)のような環境で、確かに子どもの安全は守られるかもしれないし、子どもとかかわるおとな(たとえば保護者とか)も安心かもしれない。

もちろん、「隅々まで誰かが子どもを監視・管理してくれているほうが、子ども自身もおとなの側も安全・安心」という発想もあるわけですが・・・。

しかし、これって見ようによっては、子どもに対するおとなの「善意」による「支配」、あるいは子どもに対する「監視・管理社会」の構築ですよね。

それでほんとうに、いいのかな?

あるいは、これって正直なところ「いかがなものか」とか思ったりするんですよね・・・。


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最近読んだ本をまとめて紹介(2470冊目~2482冊目)

2017-05-28 19:47:37 | 本と雑誌

最近、本を読むペースがちょっと落ちている傾向が伺えますが・・・。

それでもまた何冊か読みましたので、本のタイトルや出版社名、著者名などを紹介しておきます。

2470冊目:平川克美『路地裏の民主主義』(角川新書、2017年)

2471冊目:品田茂『日本一小さな農業高校の学校づくり』(岩波ジュニア新書、2017年)

2472冊目:鈴木孝夫・平田オリザ『下山の時代を生きる』(平凡社新書、2017年)

2473冊目:濱田武士『日本漁業の真実』(ちくま新書、2014年)

2474冊目:奥田弘美『ストレスと疲れがみるみる消える! 1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター、2016年)

2475冊目:水島広子『正しく知る心的外傷・PTSD』(技術評論社、2011年)

2476冊目:水島広子『対人関係療法でなおすトラウマ・PTSD』(創元社、2011年)

2477冊目:水島広子『トラウマの現実に向き合う ジャッジメントを手放すということ』(岩崎学術出版社、2010年)※リンク先は文庫版のものです。

2478冊目:片山厚志・NHKスペシャル取材班『密室の戦争 日本人捕虜、よみがえる肉声』(岩波書店、2016年)

2479冊目:苫野一徳『勉強するのは何のため? 僕らの「答え」のつくり方』(日本評論社、2013年)

2480冊目:帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(朝日新聞出版、2017年)

2481冊目:鈴木亜英・山田敬男編著『共謀罪VS国民の自由(学習の友ブックレット26)』(学習の友社、2017年)

2482冊目:高山佳奈子『共謀罪の何が問題か』(岩波ブックレット、2017年)


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今回(5月28日)のプリキュアの話です。

2017-05-28 09:16:26 | プリキュア話

おはようございます。

今日も日曜日、まずはプリキュアの話からです。

さて、先週、ゆかり(キュアマカロン)のお茶会での機転によって、プリキュアたちの敵・ジュリオが、同級生(転校生)の黒樹リオだということがばれました。

ゆかりはそのことを他のプリキュアたちに伝えようと、妖精のペコリンを通じて呼びかけるのですが・・・。

でも、いちか(キュアホイップ)だけは遅れて参加とのこと。なぜかといえば、海外の無医村で訪問診療を続けている母から、いちか宛てにスイーツが届く日だから。いちかのお母さん、お医者さんだったんですね。お父さんは武道家だったわけですが・・・。

また、いちかはいちかで、お母さんへのお返しのスイーツにクッキーをつくろうと、材料の買い出しに出かけます。

そんなかたちで、他のプリキュアからいちかが離れていることに目をつけて、「どうせ自分の正体はばれている」と察したジュリオは、いちかに接近。ジュリオはお母さんのつくったマドレーヌをたべて、キラキラルがいっぱいになったいちかから、そのキラキラルを奪い取ってしまいます。

そのいちかのキラキラルを奪い取ったあとのジュリオの力は強くなり、いちかの様子が心配になってかけつけたほかのプリキュアたちを次々に倒していきます。

そんななか、妖精のペコリンは、いちかのキラキラルを取り戻すべく、もう一度クッキーをつくるようにいちかにすすめます。そして、小麦粉を捏ねたり、型を抜いたりしているあいだに、いちかのキラキラルがだんだん回復してきます。

まあ、そのあとは・・・。キラキラルが回復して、パワーが満タンになったいちかがキュアホイップに変身して、ジュリオを倒すわけですね、はい。

ただ、ラストで、どうしてジュリオがキラキラルを奪おうとしたのか聴き出そうとしたら、ジュリオは「スイーツもお前も嫌いだ」といって、どこかへ立ち去ってしまいました。また、ジュリオにかわる新たな敵・ビブリーの姿も、エンディングではでてきましたね。

ということで、これから6月いっぱいくらい、長くて夏休み前くらいまで、ビブリー対プリキュアの物語が続くことになります。また、その合間、合間に、今回倒されたジュリオの秘密があかされるような、そんなストーリーになっていくでしょうね。きっと、それはジュリオがどうしてスイーツが嫌いになったのかというストーリーになると思うのですが・・・。


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