今日は新聞各紙ともに、昨日の府市統合本部で出された職員基本条例の修正案の話でもちきり。そのことも重要な課題なので何かコメントしたいところですが、その前に、上記のPDFファイルの話をしておきたいと思います。これも昨日の府市統合本部で出された資料なのですが。
これ、今後の「大阪にふさわしい大都市制度」の推進に関して、大阪府・大阪市による協議会の設置に関する条例案のPDFファイルです。
読んですぐに気づいたのですが、この条例案、この協議会で「都構想」を審議してもいいし、無理に「都構想」ができなくても、基礎自治体と広域自治体の関係などを検討し、「大阪にふさわしい大都市制度」であればそれでいいというような、「逃げ」が打てるような条例案になっています。
堺市が協議会に入るのを拒否したので、きっとこういう条例案になったのではないか、と思われるわけですが。あるいは、「都構想」に拒否的な議会各会派に協議会参加を呼びかけやすくするためでしょうか?
いずれにせよ、「都構想」は府市統合本部や橋下市長、松井知事、大阪維新の会にとっては、「もう、どうでもいい」ということなのでしょうかね? そもそもこの協議会、「都構想」の中身を検討しないのであれば、いったい何を議論するために設置するんですかね??? 「都構想」を協議するとも、協議しないとも読めるような、なんともあいまいな協議会設置の条例案ですね。
ちなみに、ある方が先ほどツイッター経由で教えてくださったのですが、1月12日あたりに、すでにこういう協議会を設置する構想が出ていたようです。ということは、あれだけ「都構想」を掲げてダブル選挙に臨んだ割には、いとも簡単に大阪維新の会や橋下市長・松井知事は、その看板を取り下げるわけですね・・・・。そう考えたら、やっぱりダブル選挙前にいろんな方が「都構想」を「内実がない」などと批判していたほうが当たっている、ということになるのではないでしょうか。いや、それとも、やはりほかの「都構想」に批判的な議会各会派を取り込みやすくするために、あえて「都構想」の看板を引っ込めたのでしょうか・・・・?
ちなみに、今日はこんな新聞のネット配信記事を見つけました。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120209-OYT1T00761.htm?from=tw (橋下市長変身、歩道橋計画立ち往生・・・知事は督促:読売新聞ネット配信記事、2012年2月9日)
この記事からは、地下鉄の駅と咲洲庁舎間の歩道橋整備を、自分が知事時代には積極的に市でやるように求めていたのに、橋下氏は市長になったらとたんにそれをしぶるようになった、ということがわかります。
要するに、彼は知事のときはそのときの自分に都合のいい要求をだし、市長になればなったで、今度はそのときの自分に都合のいい要求をする、ということ。知事としての過去の自分と、市長としての今の自分との間に、政策面や政治的な主張などの面で論理的な整合性がなくても、その時その時の自分の都合のほうを優先していく、ということですね。
おそらく探し出せば、こういうことは今後もいろいろと出てくるでしょうし、場合によれば、市長になってからあとも、その在任期間が長くなればなるほど、こういうことが出てくるのではないでしょうか。そろそろ、彼の今までの政治的主張や、知事時代に実施してきた施策の中身を、ち密に検証していく時期が来たように思います。