できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

結局、教育改革の諸提案は、関西経済同友会の提言がもとなのか??

2012-02-05 00:16:18 | 受験・学校

http://www.kansaidoyukai.or.jp/tabid/57/Default.aspx

ツイッターってほんとうにありがたいですね。フォローしている方からの情報で、関西経済同友会の上記のホームページのことを知りました。上記のページは関西経済同友会の政策提言・意見をまとめたページで、ここ数年の提言・意見がPDFファイルなどで読めます。

そのなかに、「橋下徹次期大阪市長に望む」というPDFファイルがあります。下記から閲覧可能です。

http://www.kansaidoyukai.or.jp/LinkClick.aspx?fileticket=NfVVRhrQ%2bVo%3d&tabid=57&mid=528

ここを読むと、大阪府市全域の教育特区構想が打ち出されています。具体的には小学校1年生からの英語教育、小学校の教科担任制、中学校版の大阪での学力テストの実施、小中高校の公設民営化、といったことです。

そのことを前提にして、次の記事を読んでください。

http://mainichi.jp/kansai/news/20120131ddf001010013000c.html (橋下・大阪市長:学区撤廃で、「全府で学テ」中学生を対象:毎日新聞関西ネット配信記事、2012年1月31日付け)

これを読めば、橋下市長が大阪府全域で中学生の学力テストの導入を求めていることがわかります。まさに、上記のとおり、関西経済同友会の提言の中身と同じです。彼は「民意」と何かにつけていうわけですが、その「民意」は彼や松井知事など大阪維新の会の候補者に選挙で投票した人々の意思だけでなく、どうやら関西経済同友会のような団体の意思も含まれているようですね。

ちなみに、前にも書きましたが、上記の毎日新聞の記事、橋下「市長」と書いていますが、この場合の彼の発言は、大阪維新の会代表としての発言ではないのでしょうか? もしくは、府市統合本部副本部長としての発言ですよね? でなければ、「市長」が「府教委」で取り組むべき教育施策に属する「中学生の学力テスト実施」について、あれこれ意見を述べるのは「筋違い」かと思うのですが。また、大阪維新の会代表としての発言であれ、府市統合本部副本部長としての発言であれ、中学生の学力テスト実施という提案をすること自体は否定しないまでも、それを現実化するかどうかは、今の制度上、府教委の側の主体的な判断にゆだねられるのではないか・・・・。どうもこのあたりの関係があいまいになるような、そういう装置として府市統合本部というものが機能しているように思われてなりません。


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