さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

果てしなく続く神話のような?「延長戦」 エストラーダ、ロマゴンに競り勝つ

2022-12-09 10:03:15 | 海外ボクシング



土曜日曜と、立て続けにいろんな試合を見ましたが、短いラウンドで終わる試合がなく、また長いラウンドに渡って濃密な攻防が見られる試合が多くて、正直楽しくもあり、しかしさすがにしんどいな、と思うこともあり。
その最たるものが、ラテンの英雄同士によるラバーマッチでありました。


ファン・フランシスコ・エストラーダvsローマン・ゴンサレスの第三戦目は、過去二試合同様の激しいラリーが続く展開。
初回、若干探り気味でスタートも、早々にロマゴンが踏み込んでワンツー、右クロスに右ボディストレート。
対するエストラーダがバックステップしながら右カウンター、左ボディから上にコンビ、という構図になる。

3回終盤、激しい攻防、出て連打のロマゴンに、後退しつつ、コンビ打つときはしっかり踏ん張って決めるエストラーダ、右カウンターの応酬したところでゴング。
4回もロマゴンがワンツー決めれば、エストラーダが左ボディアッパー、ロマゴンまた右、エストラーダも右カウンター。
こんなん、どっちにつけたらええの、もうわからん、というラウンド。


中盤も展開変わらず。ロマゴン出てワンツー端緒に連打。345678、と続けようとする。
フライ級までの頃なら、この中に一打で相手を止め、倒すパンチを打てたが、今はそうもいかない。
しかしその分、ボディにもパンチを散らし、淀みない連打で相手を飲み込もうとする「型」は確立されている。

エストラーダも間断なくロマゴンの攻勢にさらされながら、構え崩さず足使い、しかし止まるべきときはしっかり止まり、迎え撃ち。
左ボディを織り込んだコンビ、右カウンターで対抗。


8回あたりから、両者コンビにアッパーのヒットも入り始める。
9回、ロマゴン攻勢強め、エストラーダがロープを背負うように。
ロマゴン、ワンツー端緒に7連打。またワンツー。エストラーダ、致命傷になるようなパンチは外しているが、押されている。
最後左ボディ返すが、はっきり劣勢。
10回もロマゴンの小さいワンツー、右が入って、一瞬エストラーダの身体がロープに当たる。

このままロマゴン押し切るか、という流れだったが、終盤はエストラーダも下がりながら連打の手数を増やす。
共にパワーショットは打ち込めず、細かいパンチの応酬。
ロマゴンもインサイドからショートを打ち込むが、エストラーダ足使って回り込み、アウトサイドからの左ボディなど、ロマゴンのプレスを外しつつヒットを取る。
見た目にわかりやすいのはエストラーダの方か。


終始競った内容のラウンドが続き、採点しろと言われても本当に難しい試合。
個人的には中盤から終盤、前に出て攻勢を取りつつ渡り合っていたところを見て、僅差でロマゴンか、ドローくらいか、でも逆あっても不思議はない、という...要するにどっちかわかりませんでした(笑)。

判定は2-0、エストラーダ。
第二戦とは違って空席が見当たらず、場内のムードが非常に盛り上がっていた故に、エストラーダの見映えの良さが強調されたかな?という印象でもありました。


それにしても、試合内容や採点どうという以前に、この二人が闘えば、こうして互いに良さを出し合い、封じようとし合う構図が延々と続くのだろうなあ、と改めて思ったようなことです。
どうやっても、はっきりと差のついた決着にはなりそうもない。終わりなき「延長戦」を見た、という印象でした。
まるで未来永劫闘い続ける、神話の世界での神々の闘い、とまでいうと、さすがに大げさかもしれませんが...。



ただ、今後に関しては、もう他の相手と闘ってほしいなあ、とは思いました。
試合後、勝ったエストラーダ、第四戦についても峻拒するようなことはなかったらしいですが、いくらそこに彼個人の「利」があったとて、それは王者としての立場を証すことにはならない、という気がします。

問題はそこに誰が挑んでいくのか、という話ですが...ジェシー・ロドリゲスが「移動」してしまった今、青コーナーに立って然るべき、と言えるのはいったい誰なのか、ですね。
日本で大晦日にある試合が、それを決めるものになるのかどうか、蓋を開けて見終えないと何とも言えないのが、もどかしいところですが。




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2 コメント

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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2022-12-11 12:29:39
>アラフォーファンさん

前回も今回も、本当に競っているというか、互いに懸命さと巧さの質が落ちることなく、フルラウンドに渡って見られるんですが、それ故に鮮やかな決着とはならないですね。ジャッジも確かに大変だったかも。
正直、4戦目はもういいかなあと。もし決着があるとしたら、ロマゴンのコンディションがそろそろ厳しくなっていて、それ故に...という想像をしてしまいますね。エストラーダとて歴戦の疲弊は当然あるにしても、まだ少しだけ余裕が残っているのでは、と。まああくまで印象の話ですが。
中谷、すぐに次とはいかないでしょうね。アメリカでやるなら、知名度向上のための試合を求められるでしょうし、日本でやるにもエストラーダ招聘のコストを賄える興行規模にはならないでしょう。Amazonが全面支援、ということにも、いきなりはならないでしょうし。さりとて井岡戦とてまだ不透明です。事態が定まるには、もう少し時間が必要ですね。出来るだけ早く挑んでほしいですが。井上尚弥が結局ロマゴンと闘えずに「通過」した事例を繰り返してほしくないですしね。
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Unknown (アラフォーファン)
2022-12-10 07:04:16
まあ私も採点…分からん、となりました。
ジャッジも相当お困りの試合、ただ前戦が良くなかったエストラーダが今回は締めて来て、大変な試合でしたね。
かつての爆発力はないものの、お互いにいぶし銀の技巧。
もーし4戦目となったらマルケスパッキャオ第4戦みたいな劇的決着となるのか、あるいはマルケス弟バスケス第4戦みたいな「余計な追加試合」になるのか、またはこの延々と続く試合になるのか…分かりませんね。
ただいいかげん同じ人どうしはいいや、とは思います。中谷くんやらないかな、と。
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