木村翔、再起戦はフィリピンで、2月15日にメルリト・サビージョと対戦。
会見は上海で行われ、MAS FIGHT という中国の格闘技プロモーションの興行だという話です。
米国におけるUFCを筆頭にしたMMA、総合格闘技の隆盛は聞きますが、アジア含め、世界的にもそういう流れが出来ているのでしょうか。
以前、シーサケットが出場した “ONE” という興行の配信を見たことがありますが、色んなルールの試合が一度に行われていました。
今回の木村の興行が、ボクシングのみなのか、それとも「色々」なのかは、ちょっとわかりませんが...我々古い人間は、ボクシングと「その他」の格闘技、っていう目で見ているところがありますけど、現実として、それはもう古い物の見方なのかもしれません。
何にせよ、以前から中国では有名で、日本でやるより好待遇を受けている、という木村ですが、おそらく今回も同様なのでしょうね。
プロとして好条件を求める、というその姿勢は、当然すぎるほど当然です。
元ミニマム級王者のサビージョと、フライ級契約で闘うようですが「その後」の展望がどういうものなのか、ちょっと気になります。
タイトル挑戦を急ぐなら、無理してでもライトフライ級で、という選択肢もあるのか、と思ったりもしますが。
それとも、日本のマーケットからは遠い王者もいるフライ級で、その距離感が一気に縮まるようなマッチメイクがあり得るのか。
その辺どうなのか、ということも含め、興味深い試合です。当日、どこで見られるところがあるかどうかですが...。
で、報知の記事、最後の方には「国際問題」云々とあります。
「選手ファースト」で考えれば、いったい何が問題だというのか、と言っておしまいですが、やはりここにも「会長ファースト」な日本ボクシング界の現実が見え隠れします。全然隠せてないか...。
ジム経営して選手を指導育成していない者でないと、マネジメントもプロモートも行うべからず、という古臭い...というより、敢えて言いますが「意地汚い」発想では、あれこれ立ちゆかなくなっている現実を直視すべき時...は、とうの昔に過ぎ去っているでしょうに。
まして、所属ジムが、話にもならないほど貧しく、卑しい話で消滅してしまった、不遇の選手の話なのに、という。
JBC内部で毀誉褒貶あれど、開明派の側面もあるとされる人物にして、当面はこんなコメントを出さざるを得ない...と取るべきなのか、それとも。
いずれにせよ、それが日本ボクシング界の現在地なのだなあ、としみじみ思った次第です。
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ということで、一曲。
頭脳警察「時代はサーカスの象にのって」。
oneでのシーサケットも今のところ次を聞きませんし、ボクシングとこの手の格闘技イベントは致命的に相性が悪いように思います。一番は試合時間ですよね。キックやMMAが3R,5Rでやっているのに、ボクシングは世界戦なら最長約1時間。客はダレるでしょう。かといって少ないR数でやるくらいなら、見た目派手なMMAやキックで十分ですし。また、ボクシング以外の格闘技でも、ある程度長く続いて成功している団体は、競技を一つに絞ってるかと思います。MMAもキックも、というのは新興団体に多く、独自性を出すためや層の薄さなどからやらざるを得ない、というのがあるかと。一競技でイベントが成り立つなら、運営もそっちの方がいいでしょう。
自分は旧K-1、PRIDE世代なので、基本「格闘技」には好意的なのですが、ボクシングはそれらに関わるべきではないと思っています。理由を書くと長くなるのでやめますが、ボクシングが損して終わるだけだと思っているので。JBCは海外のことはほっときゃいいと思いますが。
検索しても新しい情報が出ないので、よくわからんですが、その名称単一の競技ルールがあるんですかね。日本でもキックの団体ごとに、興行名かと思ったらルールがあるようで、それと同じようなことなんでしょうか。
確かに、ボクシングと他とでは、だいぶ毛色が違いますね。タイではムエタイの大試合と世界戦抱き合わせ、みたいなことはよく行われていたようですが。試合時間の違いは確かに大きいですね。オムニバスじゃないけど、あれこれいっぺんに、というのはあまり普及していないんでしょうか。
格闘技については、ボクシングのあとから始まったもの、という世代と、最初から平行してあった世代とでは、受け止め方がだいぶ違うでしょうね。海の猫さんの意見は興味深いですね。JBCは現状追認の組織であることは、基本的に変わらないのでしょう。少なくとも現状は。統一契約書の作成などは、非常に大きな一歩だと思いますが、それでもなかなか...。
>アラフォーファンさん
木村に関しては、国内でも受け皿はあるが、木村の選択が違った、というところですね。JBCの見解は、現状ではこういう型どおりのものにならざるを得ない...と見るべきなのでしょうが、それにしても、ですね。
ボクシングを短距離走(5Rまで)と長距離走(従来の10~12R)に区分して棲み分けよう、と提言して復帰したのは土屋修平ですが、彼は元々キックボクサーだからそういう考えに至ったのでしょうね。かつてバタービーンが4回戦専門のファイターとして活躍していた事も踏まえてだと思いますが、確かにじゃあMMAやキックにそれで対抗出来るのか、と言われると何とも言えないものがありますね。井上・ドネアや井岡の試合のように、長いラウンドを苦しみながら、それでいて技巧を尽くして考えて戦う姿を見る独自の味わいというのが長距離走にはありますが、短距離走だとどうしたってMMAならUFC、キックなら新生K-1などが競争相手になる訳ですからね。まずはDANGANで実験的に何度かシリーズ化してやってみて……という形になるでしょうが。
JBCにも手に余る話はあるかと思いますが、海外で活動する無所属選手に対してどうのこうの、とは...仰る通り、それは置いといて...ていうか、置いとかざるを得ない話でしょうに、頼んますよメガネさん、と...。
土屋は今日、残念ながら試合できなかったそうですが、ああいう視野の持ち主に、少しでも時代を変えていってほしいですね。距離の違いはまさしく、と思いますが、それ以外にも身体全体への負担と、頭部への打撃の比率が反比例していることなど、色々と考えねばならないところがありますね。個人的には合同興行など願い下げですが(オールドタイプの典型)、ボクシングを初めて見た段階で総合格闘技が平行して「在った」世代の方々にとっては、違和感はないのかな、と思ったりもします。