ということで連日の観戦、昨日は枚方(ひらかた、と読みます)の
枚方市立総合体育館にて観戦してきました。
メインは、地元出身の日本ウェルター級王者、矢田良太の初防衛戦。
若い頃から何試合も見てますが、肝心の戴冠戦がどこでも見られない。
まあそれは良いとして、一日10時間と豪語する猛練習で鍛えた強打と、
打たれ脆い、或いは打たれ方が「まとも」過ぎる、という欠点を抱え、
勝ち負け以前に、試合ぶりがスリルに溢れた、目を離せないボクサーです。
相手は奈良ジムの岡本和泰。
よく、パンチがないからとりあえず「技巧派」と言うとこか、みたいな選手もいますが、
この選手は本当に当てるのが巧い。正しく「技巧派」と言える選手。
ただ、体格やパワーではかなり劣勢だろうなあ、と思っていました。
初回、岡本が軽く左当ててスタート。しかし終盤、矢田が飛び込んで右クロス。
これが決まって岡本、ダウン。矢田、一撃で試合の流れを決め...たかに見えましたが。
2回、意外にダメージ浅い?岡本が左ジャブ、後続の右。コンパクトで速いワンツー。
3回、矢田が圧し、ロープ際まで追えたら単発ヒットもあるが、中央では岡本が優勢。
左ジャブ、左フックのコンビ、ワンツーで支配。
パワーでは矢田だが、ミスが多い。岡本は軽いが速く、よく当てている。
こつこつ当て続けている岡本のジャブからワンツーを見ていると、
「当たりどころ」次第で、矢田が効かされたり、倒されたりもあり得るか?という感じ。
4回、矢田が右を上下に散らし、岡本少し止まり加減。矢田が盛り返す。
5回も矢田が左ジャブから右ボディストレートで出るが、岡本ワンツー返す。
6回、熱戦が激戦に変わる。岡本のワンツー、右アッパーもあったか、矢田が効いて、
膝がガクガク、自分からクリンチに行く。脆さか、打たれ方の悪さか、いずれにせよ大ピンチ。
岡本左ボディから右で追撃。しかし矢田、半ば捨て身で右を決め、逆襲。
右、右、右、右、右!という感じで猛反撃、岡本逆にダメージを負う。
これまた矢田ならではの凄み。しかし岡本も打ち返して、ゴング。
7回、両者ともピンチとチャンスを経た次でしたが、矢田が岡本を捉える。
岡本、見るからにスピードが落ちていて、矢田の右フックを食らう。
矢田、ここで右アッパーから右クロスのコンビ、岡本コーナーへよろめき、
レフェリーストップとなりました。
終わってみれば、両者のボクサーとしてのキャラクターというか、特徴が
良いとこも悪いとこも、全部見られた試合でした。
矢田はパワーを基調に、強打で先手を取る闘い方が出来れば良いですが、
打たれると一転、大ピンチ、という試合も多い。
しかし、そこから逆襲し、勝つ姿には、脆さと裏腹の凄みがあります。
地元枚方の観衆の前で、矢田良太は、自分の力の全てを見せて勝ちました。
ちょっと心配なところもありますが、ひとまず、拍手したいと思います。
その矢田に先手を取られながら、技巧派の持ち味を存分に出し、
冷静に闘って盛り返し、試合を盛り上げた岡本和泰も、立派な闘いぶりでした。
こちらにも拍手です。
※セミと前後しますが、こちらも動画アップされていました。ご紹介。
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この日はセミファイルも注目カード。
これも枚方出身の日本バンタム級3位、田中一樹と、
ランクと実力が見合わぬ実力者として知られる、同9位の栗原慶太。
初回、栗原の左ジャブが鋭く、強い。田中、左の差し合いではかなわず、右クロス飛ばす。
左フック応酬のあと、栗原がジャブで崩して、右クロス。田中、一拍おいてダウン。
2回も栗原が左で支配。田中の左に右を被せる。田中が右を返すが、栗原右ボディ。
3回、栗原が右二発、田中ダウン。しかし立って、ロープ際から反撃。
左右連打が栗原をヒット、場内沸く。しかし栗原、冷静に立て直し攻勢。
栗原、右ボディから右を上に。田中ロープに倒れかかるダウン。
田中立って、ガードして耐えるが、栗原の右が決まって、レフェリーストップでした。
ボクシングファンなら、好カードというよりは、栗原に田中が挑むチャレンジマッチ、
と見なすカードですが、地元枚方の観衆は、そういう風に見ていたのかどうか、よくわかりません。
ただ、試合後の栗原の爽やかなインタビューもあってか、場内の雰囲気としては、
栗原の強さを認め、素直に称える、という感じでした。
しかし栗原、見事な強さでした。昨年12月、ホールでKO勝ちした試合を見て、
こんな強いのに、10何位とか、どうなってるんやろう、と思ったものですが、
今回もまた、枚方市民の皆さんも納得の、見事な勝ちっぷりでした。
※昨日の今日ですが、動画ありました。仕事が早い。ということでご紹介。
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初めて行った枚方市立総合体育館ですが、場内はなかなかの盛況でした。
二階席は全席自由で、良い傾斜がついていて、見やすい。
二階席は土足禁止、と言われて驚きましたが、考えたら、普通の体育館とはそういうものですね。
会場規模は、具体的に何人くらい、とは言いにくいですが、一杯なら3千人くらい?
最寄り駅から少し遠いですが、この日はシャトルバスも出たそうです。
昨年に続き、二度目の興行だったそうですが、今後も興行があるかもしれません。
連日の観戦でしたが、試合自体はどれも見どころアリな試合ばかりで、当たりでした(^^)
暑い中の調整を経て、好試合を見せてくれた選手の皆さんに、改めて敬意を。そして感謝、ですね。
試合の魅力を見事な描写で、読むたびにボクシングを見る楽しみが深まっているように感じます。
私も2日連チャンでの観戦となっていました(///∇///)
それにしても栗原選手、強かったですねぇ~!パンフレットには16戦11勝5敗、日本9位とあったので、田中選手の試合を見るのもはじめてだったのですが、戦績とランキングから田中選手の日本タイトル前哨戦かな?くらいで観ていたので余計に驚きでした((゚□゚;))笑
ジャブは強くて伸びて、しっかり相手を突き放し、少し雑に入ってきたところをカウンターでスパッ!ひとつひとつのパンチが強くて展開の切り替えも早い。今後が楽しみですね✨
矢田選手も明るくて気さくなキャラクターで好感が持てるので、強みと弱味がハッキリとして今後は厳しい戦いも増えるでしょうが頑張ってもらいたいです(^_^)v
伝え聞いた話ですが、会場は4000人規模で本石会長1人で2000枚のチケットを捌いたようです((゚□゚;))
来年も開催が楽しみです🎵
私サッカーファンでJリーグも見に行きますが5000円出したら長居や吹田スタジアムの(ガンバやセレッソのホームです)メインに近い辺りですよ。しっかり見やすい席座れるんですよね。ボクシングだと5000円で基本立ち見なのでいつまでも狭い身内相手の殿様商売やらんとファン目線でやって欲しいですね。その意味で今回の枚方イベントはちょっと評価出来ます。
お読みいただきありがとうございます。過分なお言葉、恐縮です。
連日観戦お疲れ様でした(^^)お盆休みということもありましたが、手の届く範囲のところである興行は、なんとかライブで見たいものですね。
栗原は勅使河原との試合も確かYouTubeで見られると思いますが、強いし、試合ぶりが魅力的ですね。仰る通り、積極的に左を出して崩し、右を決め、好機の追撃も鋭い。もちろん、これからさらに上と当たれば課題もあるんでしょうが、日本上位ランカーとして十分な力と、魅力を持っています。田中も奮戦して、短いながらも迫力ある試合でしたね。
あの会場、一杯にすれば4千人いけますか。確かにそのくらいの広さはあったかも。場内、かなり盛況でしたね。矢田か奥本がタイトルを保持し続けていれば、来年も同様に盛り上がりそうですね。ダブルならなお良しですが。
>R35ファンさん
府立の地下は、正直言って、場所の良さ以外は全部落第というか、良いとこがない会場ですね。狭いし真っ平らでパイプ椅子だし、そこであんな価格設定をされたらおしまいです。サンボーホールは、千里馬神戸の興行でよく使われ、昔は長谷川の試合を数え切れないほど見に行ったものですが、最近は別の、シアター型の会場が使われているようですね。いっぺん行かないかんな、と思いつつ、今回も行けませんでしたが。
サッカーを観戦したことはないですが、まあ資本規模が違う、というか「有無」の差、とさえ言えるでしょうね(^^;)
しかし我々の思いとは裏腹に、ボクシングの「密教」化は、ますます加速していくかもしれませんね。内輪の論理で積み重ねた数々の失策と、それを指摘、批判することをメディアに許さない旧態依然は、世のボクシングに対する関心、愛着を減退させるばかりです(枚方興行の明るい雰囲気、地元の選手による好試合、奮戦は、一服の清涼剤ともいえるものでしたが)。サッカーはその点、未来への発展のために、広く愛され、親しまれるスポーツたり続けるための努力、献身を組織として惜しみませんね。むろん、細かいところで問題はあるのでしょうが、そういうあり方は本当に素晴らしいし、羨ましいと思います。