辰吉寿以輝の二戦目、関西では当日深夜に放送ありまして、見ました。
なんでもニコニコ動画で生中継とかで、数万単位の視聴があったとか。
関西では視聴率が全英オープンより高かったとかで、やはり「辰吉」のネームバリューは凄いものです。
試合としては、当てては左右に動く相手にペースを取られて、全然だった初回でしたが、2回から反撃。
重いパンチを繰り出して攻め立て、最後は回る相手を追っての左フック一発でKO。パンチのあるとこを見せました。
減量苦、試合前の事故、そして相手の狙い通りの展開にはまったこと、様々な要因からか、
初回は本当に硬かったですが、パワーで相手を抑え、止めて、好機にきっちり倒しきる。
「見るべきものがある新人のひとり」と言える選手ですね。
ただ、アマチュア経験も無い2戦目の選手ですから、不備も当然ながらあります。
来年の新人王トーナメント出場、というハードルを超えられるかが、当面の注目でしょうか。
それまでに出来るだけ試合数をこなしたいところでしょうから、怪我による一試合延期は痛いですね。
出来ることなら、新人王をパスしての「独自路線」なんて道には、進まないでほしいですが、
試合翌日には会見まで開かれるほどの高い注目度などが、どういう先行きを導くものなのか。
ちょっと気になります。
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メインイベントの中澤奨は、元WBC1位(二階級下ですが)シルベスター・ロペスに判定勝ち。
2回、右を合わされてダウンしましたが、7回には右でロペスの瞼を切り裂くなどして挽回しました。
デビューから数戦は、格下相手...というより、そもそも体格からして違う相手との試合もあり、
実力というか全体像が見えないなという感じでしたが、アレックス・エスカネル戦と、今回の試合で、
良くも悪くも見えてきたかな、という印象です。
全体として堅調、攻防共に一定以上の水準にはあるが、まだ試合の中で、流れに応じて山を作れるような
突出した力は見せていない。ただ、良い土台はあるという印象ですので、今後どんな上積みがあるかでしょうね。
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工学部卒ボクサーの坂本真宏、西日本新人王の準決勝で初回KO勝ちとのこと。
昨年末のデビュー戦から見ていますが、小柄ながら身体に力があり、よく鍛えられている印象。
記事によると、大学院進学試験にも同時に挑んでいるそうで。凄いですね。ただただ感心するばかり。
辰吉寿以輝の今後は確かに気になりますが、こういう選手もまた同様に、注目されたら良いな、と思いますね。
一階級上の平野拳生や、スーパーフェザー級の中谷有利などと共に、9月末の西日本決勝が楽しみです。
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二世ボクサーというと、こちらにも。
9月末、府立の西日本決勝まで勝ち進んで来てくれるといいんですが。
お父さんの試合は何試合か見ましたが、やっぱり国技館でのオスカー・ラリオスとの初戦に尽きます。
TV放送がどういう印象だったかはわかりませんが、現場にいる者は皆、我を忘れて熱狂させられました。
アステカと琉球の血を引いた「戦士」同士の、闘志剥き出しの壮絶な「闘い」。
判定なんかどうでもいい、勝ち負け以前に、こんなにも熱い試合があるのか、かけがえのない経験をしたものだ。
そんな思いで心が満たされ、陶然とさえなっていた、という記憶があります。
あの仲里繁の息子が、新人王戦を闘っているのか、という思いは、今のところ、辰吉寿以輝に向ける思いと同等か、
ひょっとするとそれ以上に強いものがあるかも知れません。
中部との対抗戦、何とか勝って、大阪にやってきてほしいものですね。
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OPBFライト級王者、中谷正義の次戦は、千里馬神戸の村田和也と。関西長身対決です。
判定勝ちが続いているとはいえ、加藤善孝、原田門戸、宇佐美太志、アクセル住吉と、それぞれに見所のある選手を
悉く下している中谷の実力は、国内レベルにおいて、確かなものがありますが、何せ中央のリングでは
荒川仁人に加藤、内藤律樹まで参戦してのライト級ウォーズが賑わっていることもあり、何だか地味な印象です。
村田和也は新人時代に試合を見たときは、長身を生かせず苦しい試合ぶりでしたが、
その後徐々に自らの長所を生かして、長い距離で安定して闘えるようになり、強烈なKO勝ちも見ましたし、
アウェーのリングで強打の宇佐美太志を下したりして、上位に進出してきました。
これまでの対戦相手の質を言えば、はっきりと中谷が上ですが、共に長い距離で闘える選手同士、
どちらが有利な距離を掴むのか、その展開次第で、面白くなるかも、とも思います。
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最後に村田諒太が負傷、次の試合が延期というニュース。
村田が怪我をして次の試合が延びるというのは、まあ仕方ないかという感想ですが、
次は米国でメイウェザーの前座だったとか、年内に世界戦を予定していたとか、なんだか賑々しいおまけがついてますね。
私はてっきり、次は太田区総合体育館か、そのせいで山中vsモレノ戦のチケットが高くなったら嫌やな、とか
勝手に想像していたんですが、そうではなかったようです。
今はじっくり怪我を治して、そこからは数戦、重要な試合を経てから、その先が見えるかどうか、というところでしょう。
彼のプロ入りを後押しした人々やTV局は、年内世界戦という目論見を本当に持っていたのかも知れませんが、
少なくとも帝拳が本気でそんなことを実行に移そうとはしていなかったでしょうし、重傷でもないのなら、
今回の負傷は、彼にとって幸いだった、と後から言えるときが来るかも知れませんね。