さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

変わりなく強い王者でした

2011-08-21 18:42:43 | 関西ボクシング
もうスカイAでの放送があったかと思いますが、
昨夜は住吉区民センターにて観戦してきました。

OPBFフライ級タイトルマッチ、王者ロッキー・フェンテスは
相変わらず、安定した強さを維持していました。
多少なりとも衰えが見えて、僅差の試合に持ち込めたりすれば、
向井寛史にも勝機はあるのかな、と思っておりましたが、甘い予想でした。

序盤、1~2回は、基本通りに右へ回れていた向井のワンツーの方が
フェンテスのボディ攻撃を若干、印象で上回るかなとも見えたのですが、
3回以降、フェンテスのボディ攻撃の効果が目に見えて現れ、
向井は序盤の右回りの頻度が落ちていきます。
止まり加減の向井は、フェンテスの上下のコンビのいい標的で、
6回の向井の左ストレート好打以外は、ほぼ一方的なフェンテス攻勢。
見ていて、9回以降などは、いつストップや棄権があっても
不思議ではないような展開に見えました。
しかし案の定というか、韓国人レフェリーも挑戦者コーナーも
そのような決断は下さず、ワンサイドマッチは判定へ。

さうぽん採点は野田ジャッジと同じ118-110。
10-8かと思った回も、あえて10-9で抑えてこの数字でした。

フェンテスは東洋のこのクラスで、という言い方は非現実的なので止めて、
OPBFの試合に選手を出す国の選手の中では、安定王者と言える実力を
いまだにしっかりと維持していました。
現状でいえば、清水や五十嵐が挑んでも難しいと見ます。
まあ、闘わなくて済むならそれでよし、という判断があるのでしょうし、
ファンの立場で言えばともかく、それは賢明と言えば言えるのでしょう。

しかしフェンテス自身がさらに上を目指すというのならば、
ややもすると単調で、好機に相手をフィニッシュしきれない緩急の無さを
改善する必要がありそうです。
低い姿勢から、正確で重いパンチを上下に散らし、攻め込んでいく迫力はあるのですが、
それ「だけ」では、もう一段上の選手を攻めきれるかどうか、
そのあたりは、ちょっと疑問が残るままでした。

やっぱり強い。ただ、強いこた強いけど、変わり映えもゼロやね、というのが、
奈須勇樹戦以来数年ぶりに見た、ロッキー・フェンテスへの率直な印象でした。


敗れた向井寛史については、スカイAで二試合ほど見たことがありました。
印象は、パンチはない、まあまあ巧いサウスポー、線細い、というところで、
昨夜の試合については、フェンテスが倒すだろう、そうでなければ問題、という
申し訳ないですが冷たい予想をしておりました。

しかし昨夜の試合は大敗でしたが、向井に、思っていた以上の素質というか
強さを感じた試合でもありました。
中盤以降は劣勢、ワンサイドでしたが、序盤、相手の左フックの迎え打ちを恐れず
しっかり右サイドに回ってのジャブ、ワンツー、ことに左ストレートの軌道の鋭さは
なかなかのものがあり、6回にもこのパンチを好打しています。

最近、4回戦からメインイベンタークラスの選手でも、サウスポーなのに
右に回らず、左に回って相手と正対し、わざわざ左ストレートの軌道を
遠回りにして打っている選手を頻繁に見かけるのですが、この日の向井は
ダッキングを怠らずに右へ回って、最短距離でワンツーを当てられる位置取りで
フェンテスを迎え撃っていました、もっとも足を止められた中盤以降は
正面に立たされて打ち合いに巻き込まれてしまいましたが。

そういうところで、向井は思っていた以上に良い選手だという印象を持ちました。
しかし、やはり6戦目でこの相手はきつい、厳しかったですね。


今日のスポーツ新聞には、向井世界戦白紙、という見出しがついているものがあり、
はぁ?と思って見てみると、勝てば次、世界戦という話だったようです。
まあ、毎度のことですからこれ以上突っ込むのは止めますが、
向井に良い印象を持っただけに、こういう選手をもうちょっと落ち着いて
じっくり育ててもらいたいものだと改めて思いました。


コメント (3)
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