さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

不安と不満の大逆転

2009-04-11 22:35:19 | 名城信男
先ほどスカイAの放送を見終えました。

名城信男、予想外の大苦戦でした。
初回、右ストレートをミスして身体が伸びきったところに
挑戦者富山浩之介の右アッパーから左フックを食ってダウン。
その後も富山の距離で長い右、返しの左を再三食う。
徐々に挽回し始めたが6回、左フックを綺麗に合わされ二度目のダウン。
しかし8回、疲れからか動きが落ちてきた富山に、
名城のワンツーがヒット、よろめく富山を連打で打ちまくってダウンを奪い、
追撃して青コーナー前で詰めたところでレフェリーストップがかかりました。


結果は名城のKO勝ちでしたが、内容は大方の予想を裏切るものでした。
序盤はそれこそ、富山快勝のプロセスでした。
距離を支配されて、打ちかかっては外されて左フックを合わされ、
右ストレートで突き放され、右アッパーで脅かされる。
名城は右を当てよう当てようとして、重く、正確なジャブも出せず、
打ち終わりに頭を動かさずサイドにも出ず、ボディ攻撃もほとんど忘れた状態。
少なくとも、河野公平のバッティング・アタックに困惑させられた前戦を除けば、
過去見たなかで最悪の名城信男でした。

あれだけ優勢に試合を進めていながら、中盤には動きの質、量とも落としてしまい、
結果として勝ちきれないという一点を見ても、富山のキャリア不足はあきらかでした。
その挑戦者相手に二度のダウンを喫し、ポイントもリードを許し、
何より自分自身の強みを忘れたかのような名城の闘いぶりを見ていると、
彼の今後に不安を抱いてしまいました。

かつて竹田津孝を、本田秀伸を、田中聖二を、プロスパー松浦を、
そしてマルティン・カスティーヨを苦しめた名城信男は、
執拗で重いジャブを惜しまず出し、右ストレートは振りが小さくて重く、
上体を止めずに前進する打ちにくい的であり、それでいて時には足を使って
相手を引き込み、泳がせる冷静さを持つ、相手にとって非常にやっかいな選手でした。
しかし今日の名城は、そういう相手から見た嫌らしさ、やっかいさが
ほとんど見られない、強いけど危うい、容易い、闘いやすいファイターでした。

今日の不調、ことにスタート時の不用意な打たれ方が招いた苦戦、
大いに反省してもらいたいものです。
世界上位の経験豊富な選手に、あんな好スタートを許したら、
まず十中八九、挽回、逆転のチャンスなど与えてはもらえないでしょう。


まあ、ちょっと意外な展開の試合を見て、少々頭が熱くなっています(^^;)
今回、ちょっと酷評しましたけど、逆に言えば、今まで名城の試合を見て、
こんな不満を持ったことがほとんどなかった、ということでもあります。
ジムメイトの試合で起きたリング禍の件もあり、また圧倒的有利と言われることにより
逆にやりにくい面もあったかもしれません。
さらにいうなら、バンタム級への転向(復帰)こそ、彼にとってベストの選択かもしれませんね。

いずれにせよ、結果、勝ってくれて良かったです。
もし、ここで負けてたら、名城ファンの私にとっては目の前真っ暗でした、本当に...(^^;)
コメント (7)
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