角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

休暇分散は団体戦。

2010年03月04日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
エンジ基調の竜馬プリントをベースに、合わせはエンジのいらかプリントです。
東京の仕入れ部長より、春の新柄をお届けいただきました。さすが仕入れ部長、私の好みをしっかり押さえてくださいましたね。「竜馬」は実にタイムリーと思います。
幕末期に「革靴」で往来を歩いた竜馬が、このたび「草履」になっちゃいました。平生地はこちらです。




わが家の三女は卓球部に所属しています。私は自身の力のみで戦う個人戦が好きなのですが、通の人たちは団体戦を好みます。確かに団体戦は頭を使いますね。相手選手ひとりひとりの技量を的確に判断し、こちらの選手を誰にぶつけるかがカギになります。ここで使う戦法に、相手方の強い選手にあえてこちらの弱い選手を対戦させることがあります。最終的に過半数が勝てば団体戦は勝利、これはかつての戦でも用いられました。

政府が提案した「休暇分散化案」。日本を五分割にし、春と秋にそれぞれ日にちをずらして五連休とする案です。混雑の緩和、旅行費用の抑制、観光地の雇用拡大、そのほかにもいくつかメリットが挙げられています。
外国の一部で施行されているようですが、確かにうまいことを考えましたね。ただしデメリットも多いですから、すんなり可決というわけにはいかないでしょう。

かねてからのブログにも書いていますが、角館は桜に対する依存度がとても高いです。満開時には町中が人と車で埋め尽くされる反面、散った後では旅行キャンセルが相次ぎます。
桜が見頃を迎えている数日間は、週末や祝日に当るとさらに増えますね。旧角館町の人口は1万5000人、ここへ一日20万人が訪れるわけですから、道路も駐車場もトイレも飲食店の席数も宿泊施設も、すべてキャパを越えてしまいます。あえて手前勝手な言い方をしますと、この状況は「嬉しい」とばかりは言えません。

満開時は平日であっても一定の人出が見込めます。逆に桜のないゴールデンウィークは、ツアーのキャンセルばかりでなくマイカー組もずいぶん減るものでした。
政府の休暇分散化案は、角館にとってマイナスばかりじゃないように思うんです。競争相手の多いゴールデンウィークに、桜のない角館ではなかなか勝てないというのが一般的な判断なんでしょう。であればあえてそこは棄てて、競争相手が少ない時期に勝負をかけるというわけですね。

この案に反対するどこかの観光地の人が、テレビでインタビューに応えてました。『分散化で人気の高い観光地の予約が取り易くなれば、第二希望や第三希望の観光地が廃れていくのでは…』。
この“団体戦”を勝ち抜くためには、第一希望を勝ち取る作戦も必要でしょう。

コメント
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