今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
黒地の金粉プリントをベースに、エンジを三本配してみました。
豪華絢爛の中にも、エンジがその存在感をしっかり持ってますね。赤と黒の相性の良さは、「夫婦」に似ているのかも知れません。強くも優しい人間性は、ときに夫がときに妻が発揮しますね。
東京からお越しのご夫婦旅。ご主人が角館草履を眺めながら、しきりにその配色デザインを感心されていました。『こんな綺麗な草履は履けないよなぁ』の言葉に奥様が、『あらっ、土踏まずが付いてるじゃないっ!? これは履かなきゃダメよっ』。
ここで私が健康効果について説明を始めました。納得された奥様は、『お父さん、買ってあげるから履きなさいっ』。
ここでご夫婦の力関係が現れましたね。奥様がご主人に対して「買ってあげる」というのは、実演席でそう珍しくありません。配色選びの際も、『お父さんの好きな色ってどれ?』と言いながら、結局定番配色②に誘導したのは奥様のほうに思えました。
お会計が済み奥様へ草履を手渡しながら、『戻られたらすぐ履かせてくださいねっ』と言った私の言葉は、力関係を推測するに間違いではなかったと思いますよ。
千葉県からお越しのご家族旅。お父さんにお母さん、そして20歳代前半と思しき娘さんです。お母さんと娘さんが草履を気に入ってくださり、配色選びに夢中でした。お父さんはそんなふたりの様子を眺めながら、近くのベンチに腰を下ろしています。
お会計が済みあとは帰るだけとなってから、奥様がご主人へ『お父さんは要らないの?』。
すっかり忘れられた存在になってましたねぇ。
今晩は楽しみにしている「竜馬伝」です。竜馬の初恋の相手とされる平井加緒は、結局竜馬とは結ばれませんでした。調べてみると夫は土佐藩士西山志澄という人で、明治維新後は政治家となり、大隈重信内閣で警視総監まで務めた人物なんですね。
女性の幸せが夫の肩書きばかりとは思えないにしても、平井加緒の人生は竜馬と結ばれるより幸せだったんじゃないかと思うんです。もっとも竜馬と加緒が、結婚を誓うほど心底惚れあった仲であったのかは、史実として分からないらしいですけどね。
公開実演ではさまざまなご夫婦と出会います。結婚というものは、計り知れない縁の深さだと思うんです。それゆえ、それぞれに素晴らしい組み合わせと思うわけです。