角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

大学あれこれ。

2010年03月11日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調の竜馬プリントをベースに、合わせはエンジです。
紅枝垂れ桜を想わせる、ぱっと明るいピンクですね。足元が暖かくなるような草履は、中高年のおばさまにお勧めしたいです。
ピンクの可愛い竜馬はこちらになります。




男性ばかりの四人グループ、うちのおふたりが明らかに外国人と分かりました。そのおひとりが角館草履に高い関心を示し、草履を眺めながらなにやら迷っています。こういうとき日本語しか知らない草履職人は、まったくのお手上げですよ。
四人のうちのおひとりが日本人でした。その様子に気づき、すぐさま通訳係りです。

男性はロシア人で、奥様と8歳になる娘さんへ日本のお土産に買いたいというわけです。そこで迷っていたのがサイズなんですね。ロシアで「cm」の単位は使いません。奥様のサイズはだいたい予測できるとして、娘さんの草履はいったい何cmを買えば良いのかが問題だったわけです。
通訳係りさんのおかげで、なんとか二つの草履をお選びいただけました。

日本人のおじさまへ、『ロシアからというのは、お仕事の関係ですか?』とお訊ねすると、『えぇ、国際教養大学なんですけど、研修で来日した大学の先生たちなんです』。まずロシア、そしてアメリカ、もうおひとりよく分からなかったおじさまはモンゴルだそうです。
それぞれのお国で大学の先生をしているんですね。そう言われると、どこか博学そうに見えるもんです。
それにしても、ロシアの方からお買い上げははじめてじゃないでしょうか。

広島県からお越しの母娘ペアさん、娘さんは高校生くらいかと思いました。娘さんが草履を気に入ってくださると、お母さんが『もうなかなか来られないから、記念に買って行けばっ』。
まずサイズが重要ですから、試し履きをお勧めしてみました。すると23cmのサンプルがちょっと大きかったです。それでも年齢を勘案して、『もう少しは大きくなるでしょうから、23cmから選んでもイイでしょ』と言うと、『この子、こう見えても23歳なんですよっ』。

あちゃー、てっきり高校生くらいに思っていたので、これにはすぐさま謝罪です。すると娘さん、『あっ、イイんですよ~。この前は16歳って言われましたから~』。どうやら若く見られるのは慣れっこのようです。
娘さんは盛岡市にある大学を卒業したばかりで、このあと故郷の広島へ戻られるとのこと。盛岡で生活していた四年間、お母さんもたびたび訪ねていたようですが、角館には今日が初めてでした。盛岡での大学生活と共に、角館草履が想い出のひとつになってくれたら嬉しいですね。

米蔵スタッフの甥っこさんが、今春大学受験です。いろいろ話を聞くに、親の心配は多岐に渡りますね。中でもかかる費用は並大抵ではありません。
ちょうど一年後、わが家の長女と次女もその時期を迎えます。草履を編む手は止められませんなぁ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする