角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

角館満喫旅。

2010年03月27日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ブルー基調の桜花プリントをベースに、合わせはピンク基調の竜馬プリントです。
爽やかで可愛い配色ですね。ブルーとピンクは子どもに愛される色と言います。もしかしたら、小学校高学年か中学生くらいの女の子がお選びになるかも知れませんね。

見事な寒の戻りとなった角館です。朝は寒いながらも晴天でしたが、午前10時を過ぎたあたりから吹雪模様になりました。一ヶ月前なら当たり前の天気も、間もなく四月を迎えるこの時期には珍しいでしょう。
週間予報では30日あたりからいきなり二桁気温になるそうです。今年の春はいきなりやって来るんでしょうか。

千葉県からお越しの母娘ペアさん。共に草履を気に入ってくださり、お好きな配色をお選びです。これからまだ散策されるようでしたから、『草履預かって置きましょうか?』と訊いてみると、『助かります~。これから内陸線に乗ってみようかと思ってて…』。
秋田内陸縦貫鉄道の話題は、このブログでもたびたび登場します。赤字路線で一時は廃線まで論議されましたから、これに乗ってくださると言うのはこちらこそ『助かります~』ですよ。

散策を終えた夕方、草履の引き取りにお見えです。吹雪模様の一日でしたから『寒かったでしょう?』と訊いてみると、『電車が雪煙を上げて走るんですよ。楽しかったですぅ』。
なごり雪にしてはハッキリとした雪でしたが、それがむしろ想い出になってくれたんですね。
電車内のスタッフもとても良くしてくれたそうです。お母さんがとある駅を指し、『ここは降りるとなにかあります?』と訊ねると、『そこはなんもねぇよっ』の返答。それがとても可笑しかったと笑顔で教えてくれました。「なにもない」のが首都圏の人にすれば「新鮮」なわけです。

お二方は角館入りしてすぐ、まず武家屋敷通りをくまなく散策されたそうです。岩橋家の敷地に入るとひとりの角館人に、『ツアーですか?』と訊ねられたとのこと。フリー旅とお答えすると、『30分ほど時間があったらお入りになりません?』と言われたそうです。そう、角館歴史案内人組合が運営している「冬語り」なんですね。
武家屋敷通りの次は、西宮家などがある外町散策。そのうえ内陸線にまで乗ったのですから、「角館満喫旅」と言って相応しいでしょう。

角館一大イベントである「桜まつり」、見頃を迎えるまでもう一ヶ月もないでしょう。今年も大勢のお客様をお迎えする中で、桜以外の「角館らしさ」をひとつでも見つけて欲しいと願わずにいられませんね。

コメント
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