ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路  (43回)

2009年08月22日 | 思い出話
     平成14年11月4日  (月)  訪れる寺無し



     距離:25K  富士廼屋旅館 ~ 十夜ヶ橋 ~ ふるさと旅館


11月4日 08:06  ふじいさん  (送)
昨日は早く着き、食事前に寝た為に夜眠れなくなり困りました。4時頃大きな
アラレが降って驚きました。


08:18  ふじいさん  (受)
ほんまに寒いな~此処も夜中から明け方に掛けて風が怖かったよ。だけど
今朝は天高く奇麗な空、快晴です。今日も頑張りましょう。


10:00  ふじいさん  (送)
6時前から9時まで雨又はアラレ、アラレをサクサク踏みしめながら歩き、ト
ンネルを越えたら快晴。しかし突風が吹き、目方の軽い私はフラフラです。
もう少し目方が欲しいと思った瞬間です。4時間歩いてモーニングしています。


10:32  ふじいさん  (受)
可哀そうに体重重い?軽い?帰ったら お し え て ね

17:09  ふじいさん  (送)
主人と私10K違うらしい。その所為か私だけよろける。明後日やっと大宝寺。
今日お茶している時地震だったよ。アラレに急かされて、時速4Kで歩いた
らしく、早く着きすぎて時間調整しました。


17:16  ふじいさん  (受)
お疲れ様。地震又あちこち怖いね。お食事温かいとご馳走だよな。私はシ
チューです。大阪もメチャ寒いよ~。


18:50  ひろあき  (送)
変わりありませか?今日午前中はアラレ交じりの雨でした。今年初めて、自
分の吐く息が白く見えました。明日は大江健三郎さんの生まれた家の前を通
る予定です。


            川を挟んだ向こう岸の土手に伸びる影法師



朝、パラパラと言う大きな音に目が覚めました。大きなアラレが坪庭を叩い
ていました。止みそうに無いので私達は出発しました。真っ暗な空から叩き
つけるようにアラレが降り、見る見る道が白くなりました。自分の足音がサク
サクと聞こえます。でも気分は上々です。真新しい雪?アラレ?の上を歩くの
は… 2時間もそうして歩いたでしょうか、薄日が差してきました。

鳥坂トンネルを抜けると其処はお天道様の世界でしたが、今度は風がありま
した。強い強い風です。吹き飛ばされそうになりました。何時もは減らしたい
目方が今日は欲しいと思うほどでした。「ウッディライフ」と言う喫茶店で朝食
を取りました。感じの良いお店で、小一時間休憩させていただきました。

名古屋の植木さんにこの地点は間違い易いので気をつけるようにと言われ
ていたのに、きっちりと間違えてしまったようです。バイパスに迷い込んだらし
いのです。気が付いてしたの道に下りました。来た車に止まってもらって、道
を聞きました。まず国道56号線に出るようにと教えられました。楽しみにし
ていた「おはなはん通り」を見逃してしまいました。

若い女性に主人が「松山への道は如何行けば良いですか?」と訊ねました。
私は慌てて「国道56号線に出たいのです」と言い直しました。

教えられて国道に出て、ほっとすると無性に腹が立ってきました。私は主人に
「此処から松山まで何キロあると思っているのよ!! 神戸の道路から名古屋
城への道を聞いてるのと同じ事でしょう、松山まで何泊すればいけると思って
いるのよ!!」とまくし立てました。


十夜(とや)ヶ橋に出てきました。橋の下にも行ってみました。お大師さんが
空腹のまま此処で野宿されたと言う場所です。その一夜が十夜にも感じられた
と言う事で、この名が付けられたと言われています。静かな場所を想像(お大
師さんが泊まられた頃は辺鄙だったのでしょうね)していましたのに、思った
より大きな橋で自動車がビュンビュン走っていました。

橋は広げられて、今夜の宿に予定していた十夜ヶ橋旅館は移転させられ、廃
業していました。

今夜の宿「ふるさと旅館」は近そうで、早く着きそうでしたので、見つけたファミ
リーレストランでお茶する事にしました。窓の外を夫婦のお遍路さんが通って
いかれるのが見えました。後で知ったのですが、そのご夫婦が今もお付き合
いをしていただいている小林さんご夫婦だったのです。お話しをする前に私
は小林さんご夫婦を目に捕らえていたという事になります。ご縁があると言
うのはこういう事を言うのでしょうか。

ふるさと旅館」と言うのはだんだん大きくなたと言う感じの旅館でした。旅館と
言うよりも、食堂に泊まる部屋が隣接していると言う感じでした。

「女風呂(小さい方)しか沸いてなくて、今先着の人が入っているので、男風呂
が沸けば知らせます」と宿のご主人が言われました。私はそれでは先にと洗濯
をしていました。するとその間に「沸いたと知らせがあったから、一緒に入ろ
う」と主人が言いました。「男風呂に?」「一緒で良いゆうとった」先着の人
は女風呂に入られたし、他に客も居ないようだし、私は何の疑いも無く入りま
した。

暫くするとなんだか人の声がすると思ったら、がらりと戸が開いて、ご主人が
顔をのぞかせている「アレッ、一緒に入られたんですか」驚いて引っ込まれた
が私も驚きました。人間驚きが大きいと、一瞬フリーズするんですね。隠すべ
き所を隠したいと、頭では考えているのですが、行動に移せないのです。体を
洗っていた手ぬぐいを持った手は宙に停止しているのです。

戸が締まってから「今更な!!」と思いつつも隠すべき所を隠しつつ、主人に
聞きました「一緒に入って良い言われたんちゃうん?」「言われないけど、良
いとおもった」ですって!!主人は時々こんな事をする。何時もは用心してい
るのに、災難は忘れた頃にやって来る。

そこで何もご存じない先着の奥様が「お風呂が空きました」と呼びに来てく
ださいました。その時が小林いさをさんとの初対面でした。

もう一組姉妹の遍路さんが居られました。小林さんと姉妹遍路さんは昨夜も
同じ宿だったようです。私達の宿「富士廼屋旅館」のお隣の「まっちゃ旅館」
にお泊りだったらしい。私達は相変わらず、朝ごはんはお断りして早朝に立
つ事にしました。


             ふるさと旅館  (6泊目)


                遍路は後姿が良いですね



コメント (2)
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