平成14年11月1日 (金)
距離:24K 松乃屋旅館 ~ 観自在寺 ~ 三好旅館 (2)
電柱に張られた「お助けマン」マーク
これを見落とすと目的地をはずれ横道にそれてしまう
「この道で良いのか?」と不安なとき「このマーク」を見つけると
ほっとすると同時に踊りだしたい気持ちになる
さまざまな形で私達・歩き遍路をサポートしてくれる「道標」
後何キロと書かれたものもあります
山道に野口雨情の句碑がポツリポツリと建っていました。何故こんな山中に?
雨情はこの土地の人ではないらしい。いかなるかかわりであるのであろうか?
10基以上はあったと思います。
その一つ 松の並木のある柏坂いくど涙で越えたやら
道の辛さを詠ったのか、生活の苦しさを詠ったのでしょうか?
山道をやっと抜けたと思える場所で、瓶に引き込んだ水を見つけました。
犬が吼えています。尾っぽを引きちぎれんばかりに振っています。おばあさんが
出てこられました。「お水を飲ませてください」とお願いします。「だいぶ前に
女の子が通ったよ。あんた達夫婦で遍路できるなんて幸せだね。夫婦遍路って
良いね!!」言われるとおりだと思います。年なりの故障は有っても二人とも
歩けます。これを幸せと呼ばずしてなんと言おうか!です。
美味しいお水をたっぷりと頂きました。お礼を言って立ち去る私達に犬は付いて
きます。おばあさんに「行ってはダメ!」といわれて、名残惜しそうに見送って
いました。たまに通る遍路以外にこの家を訪れる人はあるのだろうか?犬だって
こんなに人恋しいのに、おばあさんは大丈夫なのでしょうか?
其処から暫く林道を行って、みかん畑に出ました。軽トラックが止めてあり女の
人が居ました。私達を見つけておみかんを2個づつちぎってくださいました。嬉
しかったです。お昼を抜いていると言うより、持って居なかったし、やっと峠越
えをしたという安心感も重なって、空腹を感じておりました。
「今夜は岩松でしょう?もうひとふんばりだ! ものの6Kだよ}「えっつ!後
6K!」前進あるのみ、幸い道は下り坂に入っています。しかし通る人が少ない
所為でしょうか、草が道にかぶさっています。程好い酸味のおみかんを頬張りな
がら「美味しいね」「ありがたいね」の言葉を何度言い合ったでしょうか。空腹
を感じていた私達は貪るように食べました。
大門のバス停辺りで、店に買い物に来ていたおばさんが「岩松まで5Kだね…」
まだ1キロしか歩いていなかったのか、日のあるうちに着けるのだろうかと心配
になってきました。
暫く行きますと、高校生が自転車で走っている道が目に付きました。
自転車道です。これで国道から離れて自動車の排気ガスを吸わなくても済む。
ありがたい事にこの道は延々と続いて居ました。後で調べますと3Kもありま
した。
この道が終わった頃、時間的に宿に近いはずと電話してみました。「少し行くと
赤い橋があるので、その橋の手前を右に入ってください」といわれました。間も
なく橋は現れました。しかし赤くはありません、内側は黄色です。でも自分達の
橋の色を間違って言うだろうか?兎に角右に曲がりました。解らないが、次は左
に曲がれといわれていました。左から来た女の子に聞きました。左に旅館は無い
といいます。どうも一筋手前を入ってきたらしいのです。右に行って川まで出ま
した。すると向こうから手を振る人が居ました。間違える人が多いので迎えに来
てくれたのでした。でも如何して私達がわかったのでしょう?当然なんです!!
だって遍路姿なんですもの!
「遍路道は草は刈られていましたか」と聞かれました「やっぱり刈ってあったん
ですね」と女将さん。「先日お客様が草が生い茂って道がわかりにくい。野良犬
も居て怖い。といわれたので女将さんが役所の方に頼んだんですよ」と従業員の
人が言われました。地元の方は山歩きしないから解らないのです。気づいた事は
遠慮なくお話ししておいたほうがよさそうです。後に続く人のためにです。
歩きながら今来た道を振り返りました。其処には赤い橋が掛かっていました。お
解りですか?橋は外側が赤色だったのです。私達には内側の黄色しか目に入らな
かったのです。
間違い易いからと迎えに来てくださった女将さんは80をとっくにすぎておられます。
「この宿は、私で3代目、建物は100年前のもの、少し手を入れてますがね。
食事は隣の新館でお願いします」古い建物を挟んで左側に新館、右側は新聞配達
所のようでした。多角経営なんだわ。
夕食が又豪華、温かいものは温かく出てきます。種類が多くて、勿体無いのです
が残しました。唯ね、皆個室で遍路の情報交換の場がありませんでした。
朝食は一緒でした。男の1人遍路さんが2組居ました。今までの道中の話に花が
咲いて楽しかったです。出発時女将さんが見送ってくださいました。
杖を持たないで出ようとした私達に「アラ、お杖は?}「わすれたわ!!」「そ
うでしょう、確か来られた時はお大師さんもご一緒だと思いましたから…」何と
言う良い言葉でしょう。心に残りました。まいったな~も~。
三好旅館 (3泊目)
距離:24K 松乃屋旅館 ~ 観自在寺 ~ 三好旅館 (2)
電柱に張られた「お助けマン」マーク
これを見落とすと目的地をはずれ横道にそれてしまう
「この道で良いのか?」と不安なとき「このマーク」を見つけると
ほっとすると同時に踊りだしたい気持ちになる
さまざまな形で私達・歩き遍路をサポートしてくれる「道標」
後何キロと書かれたものもあります
山道に野口雨情の句碑がポツリポツリと建っていました。何故こんな山中に?
雨情はこの土地の人ではないらしい。いかなるかかわりであるのであろうか?
10基以上はあったと思います。
その一つ 松の並木のある柏坂いくど涙で越えたやら
道の辛さを詠ったのか、生活の苦しさを詠ったのでしょうか?
山道をやっと抜けたと思える場所で、瓶に引き込んだ水を見つけました。
犬が吼えています。尾っぽを引きちぎれんばかりに振っています。おばあさんが
出てこられました。「お水を飲ませてください」とお願いします。「だいぶ前に
女の子が通ったよ。あんた達夫婦で遍路できるなんて幸せだね。夫婦遍路って
良いね!!」言われるとおりだと思います。年なりの故障は有っても二人とも
歩けます。これを幸せと呼ばずしてなんと言おうか!です。
美味しいお水をたっぷりと頂きました。お礼を言って立ち去る私達に犬は付いて
きます。おばあさんに「行ってはダメ!」といわれて、名残惜しそうに見送って
いました。たまに通る遍路以外にこの家を訪れる人はあるのだろうか?犬だって
こんなに人恋しいのに、おばあさんは大丈夫なのでしょうか?
其処から暫く林道を行って、みかん畑に出ました。軽トラックが止めてあり女の
人が居ました。私達を見つけておみかんを2個づつちぎってくださいました。嬉
しかったです。お昼を抜いていると言うより、持って居なかったし、やっと峠越
えをしたという安心感も重なって、空腹を感じておりました。
「今夜は岩松でしょう?もうひとふんばりだ! ものの6Kだよ}「えっつ!後
6K!」前進あるのみ、幸い道は下り坂に入っています。しかし通る人が少ない
所為でしょうか、草が道にかぶさっています。程好い酸味のおみかんを頬張りな
がら「美味しいね」「ありがたいね」の言葉を何度言い合ったでしょうか。空腹
を感じていた私達は貪るように食べました。
大門のバス停辺りで、店に買い物に来ていたおばさんが「岩松まで5Kだね…」
まだ1キロしか歩いていなかったのか、日のあるうちに着けるのだろうかと心配
になってきました。
暫く行きますと、高校生が自転車で走っている道が目に付きました。
自転車道です。これで国道から離れて自動車の排気ガスを吸わなくても済む。
ありがたい事にこの道は延々と続いて居ました。後で調べますと3Kもありま
した。
この道が終わった頃、時間的に宿に近いはずと電話してみました。「少し行くと
赤い橋があるので、その橋の手前を右に入ってください」といわれました。間も
なく橋は現れました。しかし赤くはありません、内側は黄色です。でも自分達の
橋の色を間違って言うだろうか?兎に角右に曲がりました。解らないが、次は左
に曲がれといわれていました。左から来た女の子に聞きました。左に旅館は無い
といいます。どうも一筋手前を入ってきたらしいのです。右に行って川まで出ま
した。すると向こうから手を振る人が居ました。間違える人が多いので迎えに来
てくれたのでした。でも如何して私達がわかったのでしょう?当然なんです!!
だって遍路姿なんですもの!
「遍路道は草は刈られていましたか」と聞かれました「やっぱり刈ってあったん
ですね」と女将さん。「先日お客様が草が生い茂って道がわかりにくい。野良犬
も居て怖い。といわれたので女将さんが役所の方に頼んだんですよ」と従業員の
人が言われました。地元の方は山歩きしないから解らないのです。気づいた事は
遠慮なくお話ししておいたほうがよさそうです。後に続く人のためにです。
歩きながら今来た道を振り返りました。其処には赤い橋が掛かっていました。お
解りですか?橋は外側が赤色だったのです。私達には内側の黄色しか目に入らな
かったのです。
間違い易いからと迎えに来てくださった女将さんは80をとっくにすぎておられます。
「この宿は、私で3代目、建物は100年前のもの、少し手を入れてますがね。
食事は隣の新館でお願いします」古い建物を挟んで左側に新館、右側は新聞配達
所のようでした。多角経営なんだわ。
夕食が又豪華、温かいものは温かく出てきます。種類が多くて、勿体無いのです
が残しました。唯ね、皆個室で遍路の情報交換の場がありませんでした。
朝食は一緒でした。男の1人遍路さんが2組居ました。今までの道中の話に花が
咲いて楽しかったです。出発時女将さんが見送ってくださいました。
杖を持たないで出ようとした私達に「アラ、お杖は?}「わすれたわ!!」「そ
うでしょう、確か来られた時はお大師さんもご一緒だと思いましたから…」何と
言う良い言葉でしょう。心に残りました。まいったな~も~。
三好旅館 (3泊目)