世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

「第九交響曲」特別演奏会2012

2012年12月26日 23時06分03秒 | Weblog
いよいよこの日が来た。
年末恒例、ベートーヴェンの第九のコンサート。

「第九交響曲」特別演奏会2012



小林研一郎(Cond)
岩下晶子(Sop)
栗林朋子(Alt)
錦織健(Ten)
青戸知(Bar)
武蔵野合唱団 日本フィルハーモニー交響楽団


これを聴かないと年が越せない私。
晩夏に「今年はどの第九にしようかな」と選び始める。でも結局、小林研一郎&日フィルの第九をチョイスしてしまう。

仕事を定時で上がり、急いで池袋へ。公園の喫煙所で北風に煽られながら一服し、いざ東京芸術劇場へ。
ずっと長いこと改修工事をしていた東京芸術劇場。リニューアルされてから初めて行く。…そんなに変化がないような…。

席は前から7列目のソプラノ寄り。


まずは
J.S.バッハ/「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」より《シャコンヌ》
(ヴァイオリン独奏:木野雅之)

ヴァイオリンって不思議。1台なのに、目を瞑って聴いていると、何人もの人が演奏しているように聞こえる。
木野雅之さんはコンサートマスターも務めている。芳醇で厚みのある音色にすっかり酔いしれた。

休憩を挟み、第九に突入。

第一楽章
コバケンのタクトから音が生まれてくる。あの一点から湧き出てくる、そんな感じ。そしてそれは広大な音の広がりになり、コンサートホールを優しく包み込む。嗚呼、この時点で昇天しそう…!
そして、コバケンが指をそっと指すと、その部分から花がふわっと咲くように音が生まれるのである。
時々、コバケンがオーケストラに向かってOKサインらしきものを出して指揮する様子が好き。


第二楽章
リズミカルで力強い、まるで雷のようなティンパニーについ体を揺らしそうになる…!
これ聴くとわくわくする。第四楽章も好きだが、この第二楽章も好き。


第三楽章
いつも眠くなる。実際、前の女性は寝ていた。
今回、私は大丈夫。おめめぱっちり。
静かな曲なので、コバケンの唸りがよく聞こえた。
退屈で地味な曲調なのだが、よく聴くと良い曲じゃね?なんつーの?ロマンチック!


第四楽章
キター!
第三楽章からそのまま第四楽章に突入。
ソリストの皆さんの安定した歌声にうっとり。とくに錦織健。かっこいい。ところで、昨年までなさっていたダイヤと思しきピアスを今年はしていなかったようなのだが、なぜ?

合唱前のコバケンのじらしっぷりに、今年もときめいた。
これだよ、これ。
日々積もりまくった日常の垢が、ここの部分を聴くと一掃される。嗚呼、神様。ありがとう。

♪Freude~

激しく指揮を振るコバケン。
観客席に向かって指を伸ばせば、合唱団の声がその部分で塊となって弾ける。
まさに魔法だ。
あのタクトは魔法の杖なのだ、きっと。

コバケンの指揮で演奏したことがある友人がいる。やはり他の指揮者とは何かが違うのだそうだ。
あと、コバケン、楽譜、見ないのな。あれ、全部暗記しているだなんて、すげー。


次第に激しさを増す最後の部分。

高揚する私。身を乗り出してしまう。

最後の「funken!」で昇天。

ふぅ。

今年はもう終わったも同然。

2012年が弾けた。


カセットやCDで、小学生の頃からもう何百回も聴いている第九。
ことの発端は、小学校5年生の時の担任・福田先生がクラスの歌をこの曲に決めたことにある。
しかもドイツ語。あの時は嬉しかった。初めて歌う外国語の曲。渡されたわら半紙の楽譜を見ながら、下校途中に歌いながら覚えた。
あれから20年以上経つが、いまだに歌詞を覚えている。時々カラオケで歌ったりしている。かくし芸と化している…。
あと、大好きな大林宣彦監督の映画「ふたり」で、第九のコンサートのシーンがあり、当時中学生だった私は「自分で稼げるようになったら絶対に第九のコンサートに行くんだ」と決めていた。

そんな思い出もあってか、第九には並々ならぬ想い入れを持っている私。清水の舞台から投身自殺する勢いでS席ゲット。

オーケストラを前にすると、「あ、この部分ではこの楽器が使用されているのだな」と判明して面白い。


来年も気持ち良く第九が聴けますように。


吉熊、タキシードでおめかし。






好きな映画。
「敬愛なるベートーヴェン」の演奏シーン。
第九のあのシーンはいつも泣ける。

【STORY】
1824年ウィーン。うら若き女性がベートーヴェン(エド・ハリス)のアトリエにやってくる。彼女の名はアンナ(ダイアン・クルーガー)。作曲家を志す彼女は、ベートーヴェンの新曲のコピイストとして雇われたのだ。期待に反し、女性のコピイストが来た事に憤るベートーヴェンだったが、やがて彼女の才能を認め、アンナは彼の作曲を支える存在となる。初演を間近に控え、昼夜を問わない創作活動を通して、二人の間には師弟愛以上の感情が芽生えていく。そして、遂に「交響曲第九番ニ短調」初演の日、耳の聞こえぬ恐怖を抱えながらも、オーケストラを指揮するために、
ベートーヴェンはケルントナートーア劇場の舞台に立つ・・・。生涯に渡り、愛を成就させることのできなかった孤独な音楽家として知られるベートーヴェンの音楽家としての苦悩と脆さを、女性ならではの感性で描く音楽映画の決定版!

Copying Beethoven/cut HD - the best part of the movie


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