今、私、宇宙にいる。輝いている。

心療内科デー。

本当は明日が通院予定日だったのだが、明日は夕方から株主総会リハーサルなもんで、今日にしてもらった。
3時間の待ち時間の後、診察。
クマ医師、今日もそこはかとなくクマっぽかった。

ものもらいになったことを報告。「4月にもかかったのにまたですか！？」と驚かれた。
連日、はやぶさ関連の動画を観てはさめざめと泣き、そんでもってマイボーム腺からバイ菌が入ったのだと思う。が、詳細は伏せておいた。

また、コッコアポAがすこぶる良いことも報告。むくみはなくなるし、ほてりも緩和されている。さっそくコッポアポAの成分を記したメモをクマ医師に渡した（処方される気満々）。
「ああ、防風通聖散（ぼうふうつうしょうさん）ですね」
さすが、クマ医師。
そう、彼は漢方にやたら詳しい。

精神状態については、すこぶる良い。
先週末に行われた後輩女子Cちゃんの結婚式にも変な緊張は伴わなかったし、人間関係も変なことで悩まずに良好だ。
毎日笑っている。
仕事も社長にしつこく報連相していたら何も言われなくなった。

それに輪をかけ、先日のはやぶさの一件で私は自己啓発に成功した。
「この地球、この宇宙にいるって素晴らしいんだ！」と、ややハイテンションだ。
「はやぶさのようにその日やるべきことを淡々とやって、あんな風に華々しく散りたい」とも思い始めた。
些か単純だとは思うが、これらの気持ちは否定できない。


今、
私、
宇宙にいる。
輝いている。

という売れない三流アイドルのコピーのようなものを何の恥ずかしげもなく己の中に宿して成熟させている。

「あなた、だいぶ変わりましたね。凄いですよ。考え方がずいぶん変わりました。柔軟なんですよ」
と言われた。
認知行動療法のシャワーをがんがん浴びているのを感じた。
二週間に一度の命の洗濯。

ということで、処方変更あり。
パキシル、マイスリー、パリエット、防風通聖散


NASA発、はやぶさ最期の姿の動画。
まさしく有終の美。手塚治虫の「火の鳥」のようだ。
放出されたカプセルが勢いよく放たれ、それがはやぶさの子供のように思える。
カプセルの中にイトカワの砂が入っていて、それが今後の宇宙開発に役立てれれば、はやぶさは永遠に生き続けるのではないだろうか。

嗚呼、また泣いてしまいそう…。
NASA Team Captures Hayabusa Spacecraft Reentry



会社では、はやぶさ帰還について、誰も話題にしていない。
しかし、昼休みに喫煙所で他部署の先輩T主任に話したところ、私と同じぐらいはやぶさを愛していることが判明。
彼女は自分の父親の葬式でも泣かなかったクールでハードな人なのだが、はやぶさの最期の話をしたら途端に涙ぐんだ！
リアルではやぶさについて熱く語れたのが非常に嬉しかった。

はやぶさのテーマソングを何にしようか話し合った。
昨日のとおり、私は平原綾香の「Jupiter」を推し、T主任は天空の城ラピュタの「君をのせて」。

「父さんが残した…母さんがくれた…」の部分で、はやぶさの川口淳一郎プロジェクトマネージャーや他のスタッフがはやぶさに搭載した様々な機能や装備、そして熱い想いに重ねてみたら…じーんとしてしまった。



三十路を越えた女二人。
煙を吐きながら涙する。
しかも、話題が失恋云々ではなく、惑星探査機…。
傍から見たらけっこうシュールな光景だったかもしれない。