世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

ガラスの中、永遠の美

2008年09月21日 22時36分24秒 | Weblog
地下鉄を乗り継ぎ、池袋へ。
心療内科の受付にあるガラスの置物と同じ物が欲しくて、東武百貨店を徘徊。

あった!!!!

ピンク、赤、黄色の薔薇があった。
黄色の薔薇は、花言葉がアレなんで人気が無いらしい。

たしか心療内科にあったのは、ピンクの薔薇。
販売員の方に色々見せてもらったんだが、ピンクの薔薇の発色加減がイマイチだったので、深紅の薔薇に決めた。

自分にプレゼント、ということでプレゼント用に包装してもらった。


さっそく自宅の机に飾ってみた。


癒される…。
クマ医師が側にいてくれているようで心強い。

この薔薇、特殊な加工(プリザーブド)がしてあって、ずっとこのままの状態を保っていられるようだ。

永遠の美…!!
薔薇…!!

ああ、また「ROSE OF PAIN」を聴こうっと。



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「咲き定まる」

2008年09月21日 22時32分55秒 | Weblog
半蔵門にある山種美術館へ行った。ここは旧山種証券の寄付によって設立された美術館なのである。
小規模だったけれど、なんとも静謐な雰囲気を持つ美術館であった。
「百寿を超えて」と題された展覧会。


奥村土牛、小倉遊亀、片岡球子の三人による日本画が展示されていた。
全員、100歳を迎えても画家の現役だった。

以前、私は小倉遊亀の「浴女」を観たことがある。
遊亀(ゆき)という印象的な名前は、彼女の筆づかいなどと共に、私の記憶にとどまるところになった。
今日の自分的メインは彼女の絵。
そのなかでも「咲き定まる」っていう作品が気に入った。


牡丹の花粉の立体感、そこから広がる花弁に至るまで、リアルで綺麗であった。
思わず触れてしまいそうになるぐらい…。
木下利玄の歌で、
「牡丹花は 咲き定まりて 静かなり 花の占めたる 位置のたしかさ」
というのがある。
遊亀はこの歌を知ってて、この絵を描いたのだろうか?と解説文には描いてあった。

「咲き定まる」
なんて良い言葉なんだろうか。
絶妙なポジショニングも表題とマッチしていた。


続いて、遊亀の「舞う(舞妓)」

年端のいかない舞妓の初々しさが伝わってくるような作品。
振袖の豪華さとそのあどけない表情が「舞妓」という職業の奥深さを醸し出している。
しなやかで躍動感のある本作品の前で、しばらく佇んでしまった。


スーパー長寿画家の絵を観て、生きるパワーをもらえた気がした。
山種美術館といえば、速水御水の「炎舞」。

炎に吸い寄せられる多くの蛾。
この美術館に所蔵されているはずなんだが、今日は観ることができなかった。
とても好きな絵なんである。
コレを観たら、ルーベンスの絵を観たパトラッシュとネロのように昇天できそうな気がする。
天使が荷台を轢いて降りてくるような気がするんである。

その時、私は小脇に抱えた吉熊に、こう言うだろう。

「吉熊、疲れたよ。なんだかとっても眠いんだ…」

って。


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紋章

2008年09月21日 11時55分28秒 | Weblog
クマ公爵の紋章。

よく描けたので記念にアップしてみた。
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彼岸の夢

2008年09月21日 09時52分11秒 | Weblog
「癌が治りましたので、今日から教室に戻れます」
って、Cちゃんは言った。
少し痩せた体を制服に包み、はにかみながら彼女は挨拶をした。

私はすっかり安堵し、授業中、何度も彼女の姿をチラ見していた。
帰宅し、彼女に快気を祝う手紙を書こうと便箋を取り出すが、気に入ったものが見つからぬ。
やっとの思いで探しだしたお気に入りの便箋に文章をしたためるが、万年筆が滲んで書けぬ…。

苛々しながら、そっと瞼を開ける。
朝だった。
そして、今まで見ていたものが夢だったと気づく。

そうだ。
5年前の冬。
Cちゃんは癌で亡くなったんだ。


寂しいな。
亡くなった人に会えないのは、寂しい。

秋晴れの朝の光の中、どうしても彼女に会いたいと願う私がいた。
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