世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

アグレッシヴな癒し系

2007年08月28日 23時50分21秒 | Weblog
心療内科デー。

3週間振り。
今日は比較的、待ち時間が少なかった。

私が通っている心療内科の待合室は、癒し系の音楽が流れ、空気洗浄機からはマイナスイオンが放出されている。
そして、目の前には液晶大画面にて、癒し系ビデオが放映されている。
リラックスさせようというクマ医師の思惑が犇々と伝わる構成になっているんである。

今日のビデオの内容は、北海道の大自然。

る~るるるるる(by蛍)

清き川の流れ。
光が届く水底。
体中に傷を作り、故郷を目指して一心に泳ぐ鮭の群れ。
本能に刻み込まれた命のリレーを遂行するべく、彼等は泳ぐ、泳ぐ!
やがて、
一斉交尾

一斉産卵

感動のフィナーレ!
と、思いきや、
映るのは…
大仕事を終えた、鮭の死骸。死骸。死骸。
中には皮だけになったものもあり、それは下流にどんぶらこっこと流されていっていた。
ああ、そうなんだよね。
世界中の生き物は、全て死という病のキャリアだったんだよね…。
忘れていたよ。

私もいずれ死ぬんだ。産まれた時から確定されている死。
じゃあ、今、生きている意味ってあるのだろうか?
どうせ死んじゃうのに、なんでこんなに悩みを抱えて生きていかなければならないのだろうか。
もう、疲れた。

思えば、私は産まれてくる前のことは何も覚えていない。
それはそれで幸せだった。
暗い無意識の闇で傷付きもせず、ただ眠る…そんな状態を幸せと言わないで、何を幸せと言うのだろうか…。

と、一気に鬱。

もう、何もしたくない。
帰って横になりたい。

そうこうしている内に、診察室に呼ばれ、カウンセリング開始。
3週間会わない間に、クマ医師は日焼けをしていた。
しかも、前髪が微妙に変わっている。
クマチェン。

「最近、どうですか?」
と、近況を尋ねられるも、先程の鮭の死骸が強烈すぎて上の空な私。

強迫性障害によるコンセントの確認や、ここ半年使用していないにもかかわらず、でもやってしまう電気コンロの確認…これはもう仕方が無いことなんだと自分で思う。
やらないと気が済まないんだから。
以前は、確認作業を面倒に思うあまり、外出することや布団に入ることを回避したこともあったが、今はパキシルと認知行動療法の甲斐あって、良好に転じているんでは?…と私は信じているのだが。
クマ医師はなかなか断薬を許さない。

ソラナックスに関しては、かなり重宝している。もう、一生これ無しでは生きられないと薄々感じている。
マイスリーも、私の睡眠に暗躍してくれている。こいつに世話になるようになり、丸2年だ。

でも、2月から飲み始めているパキシルだけは、どうしても怖い…。

私が私でなくなる気がするからだ。
脳内セロトニンを操作するってとこが、まず怖い。
何様?

って、イチャモンつけていても始まらないので言われるがまま飲むが。
素人判断で断薬すると怖いらしいから…って、この時点でも怖い。
再び、何様?

それにしても、暫くは鮭のおにぎりは食べられない。
一生懸命な鮭には悪いが、本当、死骸が強烈だった。

ってここまで書いて気付いたんだが、私がココロをどうすることもできなくなって、通院しているということは、生きるためなんではなかろうか。
命を全うしたいという、無意識にの底に眠る私の本能は、あの鮭と共通しているんではなかろうか…。

やっぱり、あのビデオは癒し系(少しアグレッシヴ?)だったんだ!
ガッテン。

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