世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

いっぱい おっぱい

2007年06月19日 22時06分02秒 | Weblog
朝から湿度が高く、出勤するだけで疲れてしまう。
「これから働くなんて無理…」と呟いてはみるものの、目の前にある決裁済み稟議書を見ると「やらねばっ!」という気持になる。
コピーした稟議書を、各部の担当者に渡す、いわゆる「稟議書デリバリー」。

「お疲れ様です~!稟議書、社長決裁下りましたよ~」
と言いながら、時には冗談を交えつつ、社内を行脚する。

「この金額だろ?社長、サインしてくれないんじゃないかと思ったよ。よかった」
「待っていたよ」
「キター!」
という担当者たちの声。
それを聞くと嬉しくなる。
ちょっとしたヒーロー気取りの私。
地上に降りた天使というか、受胎告知のカブリエル。
そんな扱いをされるこの業務が好きだ。

しかし、このように好きな仕事だけではない。
「なんで私が?」
というようなことも数知れずあるわけで…。「最初に断らない方が悪い」という暗黙の了解がそこはかとなく漂う当社の気風に抵抗できるほど私も強くはないわけで…。

だからといって、今更他部署に嫌な仕事を振ろうだなんて、私は一瞬も思ったことはない。
与えられたこと、会社のためになると思われることを淡々とこなすように努力している。

そんな私の常識を覆した事件が起こった。

某課が「忙しいから」という理由で、仕事をこっちに寄越そうとしたんである!

忙しい。
忙しいだって!?
きゃー、すげー理由。

「ああそうですか」と易々と受け入れるほど、我々の部も暇なわけではない。
一生懸命、攻防戦に尽力したが、どうやら負けたっぽい。

やるせない。

某課をまとめている責任者、担当者に沸々と殺意を抱いた。
こんなに殺意を抱いたのは中学時代の同級生M永さんに悪口を言われた時以来だ。

ウン十年、あの仕事は某課の仕事だったのに。どうして今更他部署に振ることができるのだろうか?
他部署に振る前に、自分達で努力をしなかったのか?
新手のクーデターか?

もしも、私が「忙しい」からといって

稟議書管理やりたくない、
制服管理やりたくない、
決算書類作成やりたくない、
慶弔金の出し入れしたくない、
社内のコピー機の面倒みたくない、
コピー用紙・トナーの管理なんかしたくない
名刺の受付したくない、
経費報告書なんて作成したくない、
予算作成なんてしたくない、
経営指標なんて作成したくない、
全店分の固定資産・什器備品の管理なんてしたくない、
経費分析なんてしたくない、
定期購読書の管理なんてしたくない、
株なんて知っちゃこっちゃない、

…とわめいたら、どっかの部署がやってくれるのだろうか?
甚だ疑問である。


帰り際、下のフロアに篭りっきりの吉熊上司にホウレンソウをする。

「決裁済み稟議書がありますので、チェックをお願いします」
力無く言う私。

「いっぱいあるの?」そう尋ねる吉熊上司。

「…いっぱい、おっぱい…」


憤りを通り越して、頭が壊れた私を吉熊上司はニヤニヤしながら見送ってくれた。


追伸

「いっぱい」の「い」を「お」にしてみて?
…と言われて、「おっぱい」と答える人っていますよね…。
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