世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

オブラート

2005年11月07日 23時54分49秒 | Weblog
友達とのメールのやりとり。
職種は違うのに、彼女の一文字一文字が、まるで自分の悩みそのもののようで驚いた。
真面目で頑張り屋さんの彼女だから、きっと乗り越えていくに違いない。

13年前、夕日の射す体育館裏や教室で、受験や恋愛などを相談し合った仲である。
今考えると、「せ、青春だぜ…」と照れてしまう内容なのだが、あの頃は小さな世界でいっぱいいっぱい生きていた。
今の私たちも、悩みの種や大きさは違えど、あの頃と変わらず悩んでいる。
そしてお互い相談しあっている。

女子は基本的に相談事が好きな生物である。
既に自分の中で答えが用意され解決しているにも関わらず、
電話や喫茶店でメビウスの環のように「相談事」をする。
たしかに13年前、私もそうだった。
「…どう思う?」と発した舌の裏に、相手にこう言って欲しいという期待を忍ばせていた。
老人が餅を舐るように、
自分の満足できる答えを相手が言ってくれるまで、
何度も同じ事を繰り返し訊いた。
「…どう思う?」と。

今は…。
「こう言って欲しい」という期待はあまりない。
「こう」の部分の模範解答が、一つに定まらない問題を抱えるようになったから。
背を押して欲しい時はあるけれど。

反対に「こう言って欲しいんだな」という勘繰りもしなくなった。
お互いの近況報告の陰にひっそりと存在する悩みに対して助言や意見(異見はしない)をするのみだ。

彼女の場合、天性の優しさで助言や意見をオブラートに包んでくれる。
そのオブラートという優しさだけで私は胸がいっぱいになることもある。
それは13年前から変わらない。

彼女の悩みに対し、私はどんな助言ができるだろう。
オブラートにそっと包んで送りたい。

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