非国民通信

ノーモア・コイズミ

汚物は消毒?

2007-08-26 22:24:45 | ニュース

ホームレスをネズミ薬散布で「駆除」 仏で非難の声(朝日新聞)

 パリ郊外のセーヌ川沿いにあるアルジャントゥイユ市で、中心街からホームレスを追い出そうと、ネズミ駆除に使う化学薬品を市が路上にまいていたことが明らかになった。市は当初、市職員に散布させようとしたが拒否され、業者に依頼したという。「非人間的な方法による弱い者いじめだ。容認できない」と、非難の声が上がっている。

 仏テレビTF1によると、同市は市中心部の商業地域の路上からホームレスを退去させる計画を立て、散布する薬品を7月に購入した。刺激性の悪臭を放つもので、箱には吸入禁止と記されていた。人が吸った場合、吐き気を催すという。

 当初は、道路管理課の職員に散布を要求。しかし、職員から「ネズミ用で人間には使えない」と拒否されたため、一部を建物管理業者に依頼して散布させたという

 この前は性犯罪者を薬で去勢しようと言い出したかと思えば、今度はホームレスを化学薬品で「駆除」しようとしたとか。フランスも落ちたものですな。まぁ、日本でもことあるごとにホームレスの追い出しがあって、中にはその追い出しに使われる予算が「清掃費」として計上されているくらいですから他人事でもありません。「汚物は消毒だ~!」などと言っている人はケンシロウさんに秘孔を突かれる価値すら無いと言いたいですね。

 いかに致死性のものではないとは言え、化学薬品を丸腰の人に向けて、それも自国民に向けて使用するなど正気の沙汰とは思えないのですが、この決断を下した市長にとってホームレスはネズミと同じようなものだったのでしょうか。確かに日本でもホームレスを人間扱いしない人、社会的弱者を人間扱いしない人がいるわけで、中にはそういう人が自治体の首長を勤めている場合もあります。自国民、自分の自治体の住民を愛する代わりに虐げようというのなら、それは首長であるよりも侵略者である方がふさわしいように思われるのですが。

 このニュースにおける唯一の救いは現場の市職員が命令を拒否したことです。まだ良識の灯は消えていません。結局、市職員の拒否が執行を止めることはできず、業者に委託される形で化学薬品の散布は実行されてしまったわけですが・・・

 これが日本だったらどうなるでしょうか? 実際に現場で散布作業に当たったのが市の職員ではなく民間の業者ですから、その辺を強調して「市の関与はなかった」などと言い逃れようとするのでしょうか。あるいは、命令を拒否した職員を処罰しようとするのでしょうか。そして命令を拒否した職員を「公務員でありながら市の職務命令に従わないのはおかしい」「市のやり方が気に入らないなら出て行け」などと言って一部の国民がバッシングに走るのでしょうか。いずれにせよ、抵抗する勇気が求められるところです。

 

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コメント (4)
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