朝,部屋を出ると雪が降っている。一瞬ひやっとするが,道路は問題ない。修論「最終」発表会でぼくが出席したのは,ネットコミュニティへの書き込みのテキストマイニング2件と,購買履歴データの分析1件。修論とは「打席に立ってバットを振ること」だから, フルスイングしていた学生たちの労をねぎらいたい。
ちなみに卒論は「ともかく打席に立つこと」,博論は「何とかバットにボールを当てること」・・・これはあるゲーム論の研究者から聞いた話の受け売り。
研究とは保守的なものである,てことを認めつつ,指導教員の研究の縮小コピーのような研究を聞いていると,こんなんでいいのかな,と思わなくもない。つまり,教員たちの問題や限界が再生産されているわけだから。これは,わが身に降りかかる批判でもある。
昼食をとる時間なく,データ解析の補講に出かけるが出席者2名。今日は皆さん,そんなに忙しいのか・・・。
夕方から,ガソリンスタンドの「研究」のため,ネットサーフィン(これって死語だろうか?)。その過程で「たまたま」見つけた iPod PRO 2005 XP のパッケージの「メイキングビデオ」・・・笑わせてくれます。これがジョブズのいう「地獄」なわけね(笑)。
だが,マイクロソフトだけがダサいわけではない。多くの企業が同様にダサく,アップルが特別なのだ。最近読んだ林信行『iPhoneショック』によれば,アップル(=ジョブズ?)にはデジタルライフスタイルに関するグランドデザインがあり,製品やサービスの生態系があるという。それを「統合性」と呼んでもいいかもしれない。
誰もがアップルのようにはなれない,だから稀少にして例外的な事例を云々しても仕方ない・・・という見方にそれなりの説得力がある。しかし,それは違う。誰もがなれないとしても,誰かはなれるとしたら,どうしたらそうなれるのかを考える価値がある。そして,そこに科学的思考が貢献するはず。そのためには,せめてもう一つのアップルを見つける必要があるが・・・。