英国でインターネット広告費がテレビ広告費を抜いたというニュースに対して,慶応大学の岸博幸氏が重要なコメントをされている。
テレビを抜いた?英国の“ネット広告躍進”報道に潜む二つの誤解
最初に指摘されるのが,英国ではテレビ広告より印刷メディアの広告市場のほうが大きいということ。ちなみに,昨年スウェーデンでもネット広告費がテレビ広告費を追い抜くという現象が起きているが,そもそも欧州では,テレビ広告市場が日米に比べてさほど大きくない,という事情がある。
では,これは対岸の火事なのだろうか。電通が発表した最新の「日本の広告費」によれば,ネット広告費は現在,テレビ広告費の3分の1を少し越す程度である。ただし,その伸び率は著しく,それがこのまま続けば,10年も経たないうちに,テレビ広告費を追い抜いてしまうだろう。
もちろん,それは単なる線形の予測でしかない。岸氏が2番目に指摘するのが,英国でニュースサイトの有料化が進行中だということだ。英国ではネット広告の60%が検索連動型広告で,一部の検索サイトが儲けているだけだという。そこで,コンテンツ供給側の反撃が功を奏するか・・・。
新聞がうまくネットに移行してしまえば,新聞広告とネット広告という分類は意味を失うだろう。いずれ,すべてのメディアがインターネットに飲み込まれることを視野に入れて,世界のメディア企業は戦っているのかもしれない。そうなると「インターネット広告」という括りはなくなってしまう。
それというのは,メディアプランナーがあらゆるメディアを同一平面上に並べて,最適なメディアミックスを企画できる時代の到来を意味する。そのこと自体は,わくわくする経験であるに違いない。
テレビを抜いた?英国の“ネット広告躍進”報道に潜む二つの誤解
最初に指摘されるのが,英国ではテレビ広告より印刷メディアの広告市場のほうが大きいということ。ちなみに,昨年スウェーデンでもネット広告費がテレビ広告費を追い抜くという現象が起きているが,そもそも欧州では,テレビ広告市場が日米に比べてさほど大きくない,という事情がある。
では,これは対岸の火事なのだろうか。電通が発表した最新の「日本の広告費」によれば,ネット広告費は現在,テレビ広告費の3分の1を少し越す程度である。ただし,その伸び率は著しく,それがこのまま続けば,10年も経たないうちに,テレビ広告費を追い抜いてしまうだろう。
もちろん,それは単なる線形の予測でしかない。岸氏が2番目に指摘するのが,英国でニュースサイトの有料化が進行中だということだ。英国ではネット広告の60%が検索連動型広告で,一部の検索サイトが儲けているだけだという。そこで,コンテンツ供給側の反撃が功を奏するか・・・。
新聞がうまくネットに移行してしまえば,新聞広告とネット広告という分類は意味を失うだろう。いずれ,すべてのメディアがインターネットに飲み込まれることを視野に入れて,世界のメディア企業は戦っているのかもしれない。そうなると「インターネット広告」という括りはなくなってしまう。
それというのは,メディアプランナーがあらゆるメディアを同一平面上に並べて,最適なメディアミックスを企画できる時代の到来を意味する。そのこと自体は,わくわくする経験であるに違いない。