Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

JIMS研究大会@京都工芸繊維大学

2009-06-21 21:58:13 | Weblog
昨日から,京都工芸繊維大学で開かれた,日本マーケティング・サイエンス学会の研究大会に参加した。地下鉄の駅を出てまず感じたのが,「暑い!」ということ。さすが京都である・・・。駅前のコンビニで松村さんと遭遇。そのまま会場に向かい,「テキスト分析の理論と実践」というチュートリアルを聴く。自然言語処理の技術に関するわかりやすい解説から始まり,TTM をベースに,テキスト・マイニングのためのデータの前処理をどうするか,実演を交えての講義。会場で以下のテキストを即売していれば,飛ぶように売れたのでは・・・。

人文・社会科学のためのテキストマイニング
松村 真宏,三浦 麻子
誠信書房

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テキストデータの前処理は TTM が行うので,あとはお好きな統計手法なりマイニング手法で分析して下さい,という松村さんのメッセージに,朝野先生がテキストデータには従来の統計手法ではなく,それに相応しい,新しい手法が必要だとコメントされる。語と語が独立に観察されるわけではない,ということを理由に挙げられたように聞こえたが,確認する機会がなかった。そうした研究が必要だというのはその通り。ただし,それによって前処理の問題を解決した TTM の意義が失われることはない。

山本さんに会場で BlackBerry を見せてもらう。ゴツゴツしていて,ワイルドで,軍用品のようなイメージを受ける。柔らかい iPhone とは好対照な,しかし決して侮れない感じの,なかなかよいデザインだと思う。ハードに働くキャリアウーマンには,iPhone より BlackBerry のほうが似合うかもしれない。夜は「先生」「先輩」「後輩」など総勢8人で祇園へ。初めて見る光景に,京都の奥深さを垣間見る。そして,数人で軽めの?三次会へ。学会の最大の価値である,酔った勢いでの議論を深夜まで重ねる。

翌朝,ぎりぎり会場にすべり込み,わが部会の発表を行う。桑島さんの映画ファンサイトの社会ネットワーク分析の発表に対して,中島先生から,いつものように(以上の?)緻密なコメント。要は,もっと分析すれば,もっと面白いことがわかるということ。次いで,大西さんによる,米国の SNS から得た大量データの計量分析。発表で時間の都合上省略された部分について,ぼくが用意してきたコメントを述べるという,大変柔軟性を欠いた対応になってしまった。反省。

次のセッションでは,濱岡さんが,どのような条件の下で消費者が(ユニークな)アイデアを提案できるかについての調査結果を発表する。そして,坂本さんによる,携帯電話のデザインに対する,日韓中における嗜好の違いの比較研究。いずれもこの学会では「異色の」研究だが,それが異色であるうちは,この学会が最先端の問題に十分立ち向かっていないといえるかもしれない。ありきたりのデータを分析しているだけでは,面白い研究は生まれてこないと,自戒する。

明日,大変重要な「取材」の準備があるので,東京に戻るとそのまま研究室へ。今週はいろいろありすぎて大変楽しくもありキツくもある。