Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

日仏会談を終えて

2007-12-19 18:49:03 | Weblog
昨日は2週間ぶりにジムに行く。大学で会議に出たあと東京へ向かう。夜8時からMMRCで,フランスから来た二人を交えてクルマ調査の打ち合わせ。話が必ずしもかみ合わない背景には,日欧の自動車メーカーにおける,ブランドマネジメントや製品開発とマーケティングの分業の違いが根底にあるように思う。

一昨年取り組んだ,広告主-代理店関係の国際比較調査の結果をもっときちんとまとめておけばよかったと後悔する。そもそも経営現象に永遠はないから,鮮度が失われないうちに早く世に出すことが重要だ。それができないからダメなのだ。もちろん,これ以外にも,積み残している研究課題はすべて後悔の対象だ。

打ち合わせのあと,本郷の焼肉屋へ・・・酒と肉が大好きという点で日仏間に何の違いもない。フランス人の前でワインを選択することに躊躇し,ビールでスタートしたが,結局ワインを注文することになった(見事な霜降りの牛肉を前に我慢できないでしょう・・・)。彼らも気持ちよいスピードで飲む。ただし,ご飯ものには,われわれほど手は出さなかった。

朝起きると,コンタクトレンズを一つ紛失している事実を知る。そこで眼鏡屋に向かったため,午後の会議にわずかだが遅刻してしまう。来年度のマーケティングの授業に,いかにサービス・イノベーションの要素を取り入れるか・・・学生にどういう分析をさせたらいいか・・・簡単なようでいて,意外と難しい問題だと思う。

メールボックスに,湯気が立った修論が3篇入っていた。正月の宿題である。疲れた・・・ワークライフバランスのため今日は帰ろう・・・と思うが,授業の準備が残っている。学会の嵐が終わっので一息つき,この勢いが消えないうちに研究を完成させるぞ・・・とか思いつつも,次から次へと用事が出てくる。

今日届いた本

E.グメソン,リレーションシップ・マーケティング,中央経済社 ・・・著者はサービスの「北欧学派」の代表的研究者だという。他に類書がないだけに,一応買っておこうと。

上林憲行,サービスサイエンス入門,オーム社 ・・・サービスセントリック企業の代表例として,IBM,アップル,グーグルが取り上げれれている。情報工学者が考えるサービスサイエンスとは,そういうことなんだろう。

子安増生,西村和雄(編),経済心理学のすすめ,有斐閣 ・・・有名な数理経済学者の西村氏が,脳機能スキャナーを用いた神経経済学研究を報告しているのに驚く。本のタイトルが行動経済学ではなく,経済理心理学であるのは,心理学畑の著者が多いためか。

北野宏明,竹内薫,したたかな生命,ダイヤモンド社 ・・・この二人の著者を見れば,面白くないはずがないと期待させる,ロバストネスを巡る本。

ウィリアム B. アーヴァイン,欲望について,白揚社 ・・・最先端の生物学の研究を踏まえた,欲望に関する哲学書。米国図書館協会の賞も取ったという。欲望を上品にいえば選好になるのだとしたら,選好形成を研究テーマとする人間が買わないわけにはいかない。

そして,SPSSとJMPの最新バージョンも今日届いた。