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Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

工学とは,どういうことか

2007-10-03 21:15:54 | Weblog
・データ入力ミスがある場合に判別手法の精度を向上させる方法
・サイトに来る顧客をより望ましいクラスに移行させる方法
・サイトに一度しか来ない顧客の望ましさを一発で見抜く方法
・映画の掲示板への書き込み内容から興業成績を予測する方法
・目標とする人に手紙を届けるのに,普通の人々が使う方法
・購買履歴から,その人が浮気性かどうかを見いだす方法

というのが今日聞いた,修論中間発表の内容だ(かなり我流にアレンジしたが・・・)。何か役に立ちそうな,あるいは,ともかく何かできそうな「方法」をきちっと作って動かしてみる。それが工学だとしたら,みんなそこそこ頑張っていた。だが,それだけじゃ審査にならないので,それぞれに対して,ちょっと欲張りな(しかし不可能じゃないし,やればできそうな)コメントを書いて送る。そうこうしているうちに一日が終わってしまった。

「・・・と考えました」だけでは工学にならない。「作ってみました」じゃないとダメ。だが,経営工学や社会工学の対象は漠然としていて,目に見えないし,捉えどころがない。ロボットのように「ほら,前へ進んでいるでしょ」と,わかりやすくデモできないのが問題だ。だから,「考えました」の段階が実は重要になる。これは,「それで何ができるの?」という一見身も蓋もない問いと,表裏の関係にある。