Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

TTJW@GSSM 1日目

2006-12-15 22:15:53 | Weblog
学内重要業務が早く終了したので Bob Meyer の発表に間に合った。消費者は未来の消費の効用をどう予測するのかという,まさに時間選好に関わる話だった! 正直,すぐには頭に入らない。行動経済学で日本人の貢献が少ないことと関係あるのかどうか。

自分の発表は,足元ふらふらながら,何とかゴールにたどり着いた。Greg Allenby から貴重な指摘を得た。配ったハンドアウトに彼はいろいろ書き込んでおり,真剣に聞いてくれたようだ。この種の国際会議のありがたみといえる。

Bob はぼくのことをすぐ思い出したようだ。Barbara は,少し話してようやく思い出してくれた。Behavioral Decision Theory (BDT) と Marketing Science の境界領域で膨大な研究成果を挙げてきた夫婦。Greg もベイジアンでBDT的な世界をモデリングしている。

Gary Russel は懇親会のスピーチで,心理学(消費者行動)と数量モデル(マーケティングサイエンス)の協働の重要性を語った。ふむふむ…ただ今回のゲストのなかで,彼の論文だけは読んだことがない(あんなに有名なのに!)。結局,話しかけることなく,終わってしまった。

懇親会の冒頭,片平さんは,日米のMSの格差が小さくなることを期待するという挨拶をされた。だが,一部の例外を除き,その差は広がる一方だというのが現実だろう。いや,米国を基準にすべきではないという論もあるし,確かにそうだと思う。ただ,そういうためには,独自の,より精緻な理論を構築する必要がある。

結局,同じところに話が戻ってくる。MSでもう少し仕事はするつもりだが,幻滅が広がる気持ちも抑えがたい。このアンビバレンスはしばらく続ける。にしても,面白い研究とは・・・。