マリーがクアトロにやって来た。
時は19世紀の半ば、パリからノルマンディーへと鉄道が敷かれる。
マリー・アレルというおばあさんは娘に命じて自慢のチーズをナポレオン三世に献上する。
ナポレオン三世はこのカマンベール村のこぶりな白カビチーズがえらくお気に入りとなる。
後に木箱に入れられ鉄道でパリの町へと運ばれるこのチーズはパリッ子をも夢中にさせる。
食べ頃の短いこのチーズは鉄道の発展による申し子だったのかもしれない。
さらに流通の発達した現在は世界中でカマンベール・チーズを作っている。
しかし、マリー・アレルが作ったカマンベールは「カマンベール・ドュ・ノルマンディー」という名前をつけて世界中のカマンベールとは区別する。
クアトロに入荷しているレオ社のカマンベール・ドュ・ノルマンディーは昔ながらの製法を守ったもの。
無殺菌乳を使いひとつずつ手作りで作られ、アレルおばあちゃんの味を受け継いでいる。
アレルおばあちゃんの娘もマリー・アレルというらしいが、木箱には娘の方のマリーが描かれているようだ。
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