昔ながらのカレーどんぶり

昭和の味わいを残す店がまた一軒無くなろうとしている。
近所の出前を主としているお蕎麦屋さんである。
近々に閉店するという噂を聞き、このお店の看板に謳われている“昔ながらのカレーどんぶり”を食べに出かけてみた。
しかし店内のメニューにはそのカレーどんぶりの記載は無い。
せっかくなので、看板に謳われているカレーどんぶりを食べさせて欲しいと訴えてみた。
たいがいの客はカレー蕎麦かカレーうどんを注文するらしく外の看板と店内のメニューに相違があっても問題が無かったようだ。
本当に食べるんですか、珍しいですねという店員の顔付きである。
蕎麦の出汁をカレーに足して、うどん粉なり片栗粉を使いとろみをつけた、カレー蕎麦なりカレーうどんに使うカレーをご飯に乗せたものであることは想像がつく。
さて、運ばれてきたカレーどんぶりはほぼ予想通りだったが、カレーにイカのゲソが使われていたのが予想外であった。
この点が昔ながらなのであろうか。
これはこれで個性のある味わいであり美味しかったのである。
このお店の“昔ながらのカレーどんぶり”、しかと記憶にとどめておこう。