ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

こだわりの逸品

2010年03月26日 | パスタの話

Photo 「ウニのクリームソース」はクアトロの季節メニューであった。良いウニがあるときだけおすすめパスタとして販売していたが、お客様の要望が強く、すっかりレギュラーのメニューになった。
この「ウニのクリームソース」には、いくつかのこだわりがある。
ウニのクリームソースの注文が入ると、さっそく“リングィネ”というパスタを茹で始める。このパスタは茹で時間が長いのだ。
このリングィネというパスタは、イタリア語で“小さな舌”という意味だが、舌を切ったときの断面のような楕円形をしている。もちもちっとした食感があり、やや濃度のあるクリームのパスタによく合う。このウニのクリームソースにはリングィネを使うというのがひとつのこだわりである。
さて、鍋には豊四季名産のカブやズッキーニ、パプリカなどの野菜が軽く炒められている。野菜の甘みを引き出し、このパスタの味わいに奥行きを持たせるのも、こだわりである。
野菜に軽く火が入ると生クリームが投入される。このクリームはケーキ屋さんが使う高級なものである。どうせ火を入れるのなら植物性の安いものを使えばよいという考えもあるが、このクリームにクアトロはこだわる。
さて、主役の生ウニがクリームソースに投入される。当然、この生ウニの品質にはこだわっている。鮨屋が握りに使うウニを惜しげもなく大量に投入されるのだ。鮨屋なら何貫の握りが作れるのだろうか。脇で見ているほうがドキドキするほどのウニがクリームソースに投入され、煮込まれる。
鍋の中でウニの旨味と野菜の旨味とクリームの旨味が混沌と一体となり、茹であがったリングィネが鍋に入ると、ここぞとばかりにシェフは忙しく鍋を振り始める。その時の目つきはきびしい。
最後に鍋を振るという作業により、パスタを覆っていたゆで汁とクリームソースの中の旨味が乳化する。
そうして、こだわりのウニのクリームソースが完成するのだ。

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