旧東海道の51番目の宿として知られている湖南市石部の西部山懐に東寺、西寺と呼ばれている地域があって、
互いに国宝の本堂を持つ古刹があって歴史の古い地域です。
西寺には和銅年間(七〇八~七一五)創建と伝える天台宗常楽寺があり、通常西寺と呼ばれている。
東寺はその名の通り西寺の東に位置し、東寺には天台宗長寿寺があり阿星山と号し、これも常楽寺と同じで、西寺と東寺は対になっている。
東寺集落の入り口辺り、道路の両脇にコンクリート製の勧請ポールが建てられ、その間に勧請縄が渡されている。
ここでは、この勧請縄をジャと呼び、中央には「トオシ」と呼ぶ藤の蔓で作られた環を、その両脇に「ヨメワラ」と呼ぶ
藁の束、さらに脇には榊や樒の飾り物を吊り下げていて、独特なつくりになっている。
西寺の集落の入り口にも勧請縄が渡されていてる。
縄の中央にはやっぱり藤の蔓を丸めて作ったユニークなシンボルマークのような「鬼の顔」と呼ばれるものを吊り下げ、左右に六束ずつの樒を下げている。
いずれにしても、両地区は、常楽寺と長寿寺という古刹がこの勧請縄つり行事に密接にかかわっている。
撮影2007.1.21