大阪府の東端、京都府の京田辺市と奈良県の生駒市と境を接して大阪府交野市(かたのし)がある。
この交野市に古石仏が数多くあると言うので出かけてみた。
家からは大阪側に一山越えるだけの近場、奈良や山城と密接な関係のあった地に違いない・・・。
と言うより多分山城の一部、奈良の一部と一体となった生駒文化圏と言ったものだったのかもしれない。
<神宮寺集落の小道>
交野市の名前の由来だと思われる神奈備山である交野山(こうのさん)の麓の集落、神宮寺から石仏の道と言うハイキングコースを辿ると最初に出会うのがこの石仏です。
集落をぬけ、蜜柑畑と竹薮の小径をたどると間もなく道端に先のとがった大きな石が見える。
この石が石仏ですが進入方向とは逆向きに立っていて行き過ぎるまではその姿を見ることは出来ません。
どうもここまでは車の乗り入れが出来るようで石仏の前には何台かの車が置ける駐車スペースが用意されていますが、神宮寺集落で訪ねたときには教えてもらえなかった。
表面に二重円光背をもつなで肩の柔かい体つきの弥勒坐像が薄肉彫りされており、鎌倉前期の作だと考えられています。
奈良興福寺の末寺として交野群開元寺と言う名前が記録されており、この石仏はその開元寺の遺仏だと考えれているようです。
彫りは稚拙なように見えるが古様式なおおらかさが魅力的な石仏です。
岩高180cm、像高100cm
撮影2006.9 .2