愛しきものたち

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福井県若狭町安賀里(あがり) 諦應寺(たいおうじ)立ち木観音

2012年04月01日 | 神事:行事:寺社: 仏像

福井県若狭地域に生木の立木観音が有ると言うのであちらに行ったついでに寄って来た。

我が家近く、厄除け観音として有名な大津市南郷の立木観音は、弘法大師が生木に等身大の聖観音を刻んだものとして信仰されているが、その実、秘仏として公開された事もないし誰も見たことが無く、実体は無いに等しく全く不明です。

そのように、立木観音などは大方は枯れて朽ち果てる物だと思っていたので実際に彫られた樹も仏像も元気に現存しているのなら是非見てみたかった

琵琶湖西北岸より若狭に伸びる国道303号線、県境を越え旧上中町に入ると「立ち木観音」の有る諦應寺(たいおうじ)も直ぐ近く。

安賀里集落外れ、背後の低い山の西向き斜面に建つ諦應寺(たいおうじ)は室町末期に創建された曹洞宗の禅寺で、石段参道脇、瀟洒な山門を背景に立つ公孫樹の大木に刻まれています。

樹齢450年にしては成長が果々しくないように思える公孫樹の大木は・・・・、やっぱり大きく伐り削られたこの立木観音が成長を妨げているのだろうか??

目通り5m足らずの主幹を舟形光背状に深く削りこみ、凡そ等身大の十一面観音立像を厚く刻み出している。

観音像表面は防腐剤の透明樹脂で何度も何度も塗り固められたのであろう、すっかり生気を無くした通常の木造仏に近いが、やっぱりあちこちにはひび割れが生じ、右手や脚部は朽ち果てたのか別色の樹脂で塗り固められている。

幕末の頃、集落一帯に良くないことが続き、その時の住職が人々を苦しみから救うべく一念発起、この公孫樹の大木に十一面観音菩薩を刻んだようです。

胸に開けられた大きな穴は蓋付きの納経孔・・・少し痛々しく現在経文は取り出され、別の場所にあるようです。

それにしても公孫樹も枯れず、立木観音が木肌に埋まる事も無く、もう100年以上もお互いに生き続けている。

仏像自身それ程良い出来だとは思えないが・・・・、立木観音として100年以上もこんな状態で変わらず信仰され続けてきたようです。

境内の北斜面より突き出したちょっと絵になるアラカシ?の巨樹。

もし、こちらの木に立木観音を刻んでいたら今頃洞ばかりに成り、すっかり朽ち果てていたかも??

周りには僕の好きな石仏も数多く在りましたが・・・

これといって目を見張るほどのものは見出せなかった。

撮影2011.5.3



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