野迫川村と聴いただけでは何処にあるか全く知らない人が大部分を占めるだろう 、かく云う関西人の僕でさえ余り聞き慣れない村の名前です。
野迫川村は奈良県の南西端にあって和歌山県と接しており、奈良県とはいえ、あの高野山で名高い高野町との繋がりが強くアクセスも良い。
平成22年国勢調査の速報で人口減少率が全国一、人口は現在約500人強、世帯数300軒ばかし・・・・・、高齢者が人口に占める割合も脅威的に高程なく50%にも届きそう、まあよくも単独自治体とし維持できるもんだと少々戸惑う。
前置きがちょっと長くなりすぎましたがそんな山中の一つの集落、今井を訪ねた。
自宅を出てから約2時間余り、奈良県五條市から紀伊半島を縦断する悪名高き国道168号線で旧大塔村の坂本まで、その後国道からそれて県道53号線へ・・・・。
奈良県側から野迫川村にアクセスするにはこの県道53号線と県道734号線が有るが、こちらは素人ドライバーにはとてもとても。
紀伊半島を貫くように流れる熊野川、その上流は十津川、さらに上流は天川と名前を変えるが、今井集落はその天川支流の中原川を谷沿い道で遡ること約15分程。
山中のスギ林を抜け下り峠に差し掛かると目の前が開け、絵に描いたように長閑な今井の山間集落が見下せる。
ここは殆ど野迫川村の入り口辺り、野迫川中心部へは遥か遠い険しい県道道を約30分程ひた走る。
集落は谷間に開けたなだらかな斜面に約20軒ぐらいが軒を寄せ合う。
表通りに一筋車の通る道が有るけど集落内に車の進入出来る道は無く、高く石垣を積んだ上に建つ。
山間集落では斜面に建つ家が多く、片側を高床にして冬場に使う薪などを保存してるよう・・・
車の入らない集落内にも立派な家が軒を連ねるが、温もりの感じられる家は殆ど見られない。
やっぱりここもサンデー集落、休みになるとポツポツ人が居る。
集落には高福寺という寺が有り重文の阿弥陀仏が祀られていると言うが、もちろん拝観出来る術もない・・・・。
集落の片隅には門標の取り外された廃校・・・・勿論この集落に子供の声は響かない。
小学校は遥か彼方の村の中心部には一つだけ、ここに子供が居るわけもなく、現在常住する人は10指にも満たないだろう???
総面積の97%が山林、山々と清流といった豊かな自然に囲まれ、夏は涼しく、冬は雪が多い・・・見るだけならいいけど住むにはちょっと・・・田舎者の僕でさえ尻込みしそう。
撮影2011.7.2