京都から奈良に向かう国道24号線は、右手に山城大橋の赤いアーチを見る井手町辺りで木津川に沿って田園風景の中を進む。
木津川は伊賀方面から西流し、木津川市の西端「土師(はぜ)」辺りで大きく北向きに流れを変える。
そんな木津川を北岸から南岸へと「泉大橋」で越えると旧木津町、南都への物資の集積拠点として栄えた旧い町、国道24号線から見下ろせる町端にこの土久里(とくり)家住宅の屋敷が見える。
走り慣れた国道24号線、ここを通るたびいつも気に成って居た白壁長屋門、その奥の茅葺き大和棟の立派な佇まい。
長屋門の奥には中々入りにくいがそれと声を掛けて屋敷内に・・・・。
土久里家は代々庄屋を務める家柄、長屋門の大きな一枚板の引き戸には「下がり藤」の家紋・・・・・土久里(とくり)と言う曰く有りげな苗字も気になりますが・・・。
妻側を白壁で塗り込めた急傾斜の茅葺き大和棟、落ち棟は本瓦葺き、煙出しは元々ないのか改造で取られたのだろうか??
10年程前、茅の葺き替えを行ない、その時四隅廻りの庇も新しい瓦に替えられたようで美しい。
約300年程前、江戸中期の建築。
裏側通りから見た建物群。
住み続けるには都合の良い無指定、しかし自力での維持管理は大変だろう・・・・・。
撮影2013.2.3