畿内に住む僕達には聴き慣れない鹿児島県姶良市は薩摩半島の付け根辺り、鹿児島湾の北端西部寄りに有る街、背後は豊かな山並みに囲まれ、鹿児島市と霧島に隣接しています。
市街を外れ約30分、山深い寒村感の強い木津志地域に入るが、この地域の何処に「田の神」が有るのか全く解らない。
周りは山襞、谷間を利用した水田が在り、三々五々民家が軒を並べる里山風情、そんなこんなで、いつものように人を探す。
たまたま通りかかったお年寄り、「近くに田のかんさぁは居ませんか??」と聴くなり家の庭に居るから良かったら見て行ってと・・・。
家の裏庭に案内して貰い出遭った「田の神」がこれ・・・、像高50~60cmばかり、頭上には甑簀(こしきす)、これは何の姿を模したものだろう??
腰に帯刀?、手には別製の飯げなどを持たせるつもりか??何もない・・・。
衣装や右腕下に見える宝珠は?、いったい何・・・・。
決して良い出来とはいえない無骨な面相ですがどこか親しみの有るお年寄りって感じです。
田の神は集落共同体で信仰するものも有れば此処のお宅の様に個人で建立信仰するのも多いとか・・・。
でえ~、本題の木津志の田の神はこちら、城野神社(じょうのじんじゃ)手前、山田を見下ろす農道脇の石積み上に祀られて居ます。
しゃがんで顎を突き出し豊作を願うように天を仰ぐ独特な姿、頭上には大きな甑簀(こしきす・シキ)。
正月を目の前にして首には真新しい大きな注連縄・・・・、台座共に凝灰岩の一石丸彫り、総高約1.3m、像高約1.0m。
日照りに雨を待ちわび、空を仰ぐ農民の姿を模したものでしょうか??
その顔付はいかにも素朴なお百姓さんって感じです。
いつものように一寸失礼、左手は二の腕から下部が欠損、右手にも不自然な傷痕が残り持ち物は不明・・・。
銘文はなく、いつ頃の造立であるかわかりませんが、不自然な傷痕がもしも廃仏毀釈の所為だったとしたら、それは余りに哀しい。
姶良市の民俗文化財に指定されています。
撮影2011.12.20
田の神、民俗信仰のひとつの形ですよね。
畿内、大和文化圏では勧請縄と同じようなもんですよね。
薩摩は廃仏毀釈で仏像の類が穂地温度無くなってしまいそれの代替えとしても余計にたくさん建立されたような気もします。
今日も仕事ですよね、ご苦労様です。
なかなか良い感じですね~
初めは「田のかんさぁって何?」って言う感じでしたが
だんだん面白くなってきました~
最後の写真、何かクレヨンしんちゃんに見えてしまうのは気のせい?(笑)