愛しきものたち

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山口市徳地 深谷の十三仏

2012年12月12日 | 石仏:山陽

一石一尊十三仏として最古の銘を持つ石仏がこの山口市内にあった。

こう言う拙い彫りの素朴さは地方石仏として捨て難いものだが二列に並んだ奥の方が全く見えないのでちょっ艶消し・・・、どうせならもうちょっと隙間を取って並べて欲しいものです。

山口市街より東へ約25km、佐波川(さばがわ)上流の中国山地山間部にあり、鎌倉時代には奈良東大寺の再建造営に使う木材をここから切り出すため、この地を訪れた「俊乗坊重源」に因んだテーマパークがこの奥にあり、地元ではちょっと名の知れた所らしい。

中国道徳地ICで降りてすぐ、大きな「重源の郷」の看板通りに進むと直ぐに三叉路にぶつかり、迷うこともなく小さな深谷十三仏の案内板が有り、至れり尽くせり。

小さな棚田にポツポツと建つ民家の屋根が赤い石州瓦で葺かれていて見慣れぬ僕の目には新鮮です。

 

野道を案内板通りに奥まで詰めると右側斜面上に簡素ながらしっかりした堂が建ち、奥壁を前にコンクリート基壇の上、一尊づつの十三仏が二列横隊にに並べられて居る。

前列に七体、後列に六体と石塔の残欠、前列中央に他より少し大きい虚空蔵菩薩。

十三仏は初七日、不動明王から始まり、向かって右端は確かに不動明王の様に見えますが、イマイチ並びが良くわからない。

後列の像がよく確かめられないのでなんとも言えませんが見慣れぬ石仏も居る様な・・・・。

 

前列中央の三体中央虚空蔵菩薩は二重光背の総高90cm足らず、上半身は素人彫りのような拙い薄肉、下半身結跏趺坐と落書きのような蓮座は線彫りです。

両隣りも同様ですが、彫りが甜く風化も激しいのか?どうも決定打に欠けます。

中尊、虚空蔵菩薩背面には室町初期の「応永十四(1407)丁亥二月彼岸逆修」銘がある。

古くてローカルとは言え、素朴といえば素朴すぎる彫りですね。

堂外には十三仏の一体と見まごうような智挙印の大日如来と、傍らには偈頌(げじゅ)碑??

十三石仏は我が生駒山系が本場だとばかり思っていたので何やら「目ウロコ」でした。

撮影2012.11.29



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